連続テレビ小説「花子とアン」第46回「想像のツバサ?」【第8週】

教会

図書室

朝市「はな。」

はな「出来た! てっ! 朝市!」

朝市「はな 何書いてるでえ?」

はな「ああ… これは 小山たえさんのために書いただよ。」

朝市「えっ?」

はな「たえさん 遠い親戚のうちで さみしい思いを してるみてえだから ちっとでも 元気になってもらおうと思って。」

朝市「住所 分かっただけ?」

はな「ほれが… どこへ送ったらいいだか分からん。」

朝市「てっ… ほうだ。」

はな「何? 朝市。」

朝市「雑誌に投稿したら どうずら。 雑誌に載れば たえさんも どっかで 読んでくれるかもしれんら。 ほら!」

<なるほど。 その手があったか。 グッドアイデア 朝市。>

嘉納邸

冬子「塩 取っちゃんしゃい。」

蓮子「『お塩を取って頂けますか』 でしょう?」

冬子「お塩を取って頂けますか。」

蓮子「それを 英語で言ってみましょう。」

冬子「はっ? 英語でやら分からんばい。」

蓮子「昨日も教えたでしょう? 私の後に続いて言いなさい。」

蓮子「Could you pass me the salt please?」

冬子「クッジュー ミーサル…。」

蓮子「違います。 よく聞いて。Could you pass me…。」

冬子「もう よかろうもん!」

蓮子「食事の途中で席に立つのは 不作法です。 戻って食事を続けなさい。 戻りなさい。 冬子さん!」

タミ「冬子お嬢しゃんのために 握り飯ば作っちゃんしゃい。」

「はい。」

タミ「育ち盛りん子に ゆっくり ごはんも食べさせんで あ~ 旦那様も 大概ひどい人と 結婚したもんやね…。」

嘉納「おっ 今 帰ってきたばい。」

蓮子「今夜も 何時にお戻りになるか 分かりませんでしたから 先に頂いておりました。」

嘉納「いや よかよか。 何か。 ええ? 冬子は じぇんじぇん食うちょらんやんか。 わしは これから 女学校の打ち合わせ兼ねて宴会するき。」

蓮子「女学校の打ち合わせ…。」

<福岡に理想の女学校を作る夢は 伝助との結婚を見いだした 蓮子の唯一の希望の光なのでした。 ところが…。>

蓮子「どういう事ですか? 女学校の教育方針は 全て他人まかせだなんて…。 それでは 約束が違うじゃありませんか。」

嘉納「約束が違うも何も 学校には 金は出すばってん 口は出さん。 はなから そういう事になっちょる。」

蓮子「そんな…。 また 私をだましたんですね。」

嘉納「あっ?」

蓮子「亡くなった奥様との間に 子どもは いないと おっしゃった上に また。」

嘉納「もう その話は よかろうが!」

蓮子「女学校の事は 私 諦めません。」

嘉納「大体 こげん田舎に 英語とか淑女とか お前の言うげなん女学校やら 作ったっちゃ しかたなかろうが! そげな上等な女学校は 要らん! おなごは 勉強やらし過ぎん方が かわいげがあって いいとたい!」

蓮子「それは 私に対する当てつけですか!」

<蓮子を支えていた夢は あっけなく砕け散ったのでした。>

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