連続テレビ小説「花子とアン」第6回「花子と呼んでくりょう!」【第1週】

周造「そうさな。 キチ 田んぼ行かざあ。」

吉太郎「はい!」

はな「おかあが おとうを 好きになったんは おらが 本を読んでる時の 気持ちと同じじゃんけ!」

ふじ「ほれ どんな気持ちでえ?」

はな「本を読むと 行った事ねえ場所や 見た事ねえ景色が どんどん 頭に浮かんでくるだ。 じっとしていられんほど ここが ドキドキして 熱~くなる。」

ふじ「はな。 思いっきし 本が読みてえけ?」

はな「えっ?」

ふじ「はな 言ってたじゃんけ。 う~んと本がある家に 住みてえって。」

はな「そりゃあ おらの夢ん中の話だ。 おかあ どうしただ?」

居間

ふじ「お父やん お願えがありやす。」

周造「何でえ 改まって。」

ふじ「はなの夢を かねえてやってくりょう。 はなを東京の女学校に 行かしてやってくりょう!」

はな「おかあ…。」

周造「どうしただ?」

ふじ「ずっと考えてただよ。 いつか この子の夢を かねえてやりてえって。 はなは うちの仕事を手伝ってくて 自分が遊びてえのも我慢して 妹たちの面倒 見てくれて 本当に本当に いいお姉やんだ。」

ふじ「これっからは はなの好きなように やらしてやりてえだよ! 吉太郎も奉公から帰ってきたし この機会に はなを 東京に行かしてやってくりょう! お願えしやす! お父やん!」

吉平「お願えします!」

(戸が閉まる音)

(戸が開く音)

作業場

周造「はな。」

はな「ずっと おじぃやんのそばにいるよ。 約束したじゃんけ。」

周造「そうさな…。 ふんだけんど はなのおかあは 頑固で 一度言いだしたら 絶対に聞かん。 富士山と一緒ずら。 てこでも動かんし たまにゃ 噴火もする。 名前が ふじだからな。」

居間

ふじ「あんた! おとうが許してくれたさ!」

吉平「ほうけ! ほうけ! ほうけ! はな よかったな! これで やっと 東京の女学校に行けるだぞ!」

ふじ「はな! よかったじゃん! おめでとう。」

吉平「どうしただ? はな。 もっと うれしそうな顔しろし!」

<…と言われても はなは まだ 実感が湧きませんでした。>

尋常小学校

教室

本多「安藤。」

はな「はい。」

<そして みんなに さようならを 言う日がやって来ました。>

本多「みんなも知ってのとおり はなは 東京の女学校に 転校するこんになりました。 今日で最後じゃんね。」

はな「皆さん いろいろ ありがとうごいした。 この学校の事も みんなの事も 決して忘れんさ。」

本多「どうしただ。 今日で最後ずら。 何か言えし。」

回想

本多「とりあえず こけえ座れ。」

(笑い声)

回想終了

朝市「はなの事は 決して忘れんさ。」

サト「はなちゃん。」

「さいなら はな!」

「さいなら はな!」

「さいなら はな!」

「さいなら はなちゃん!」

はな「みんな… みんな…。」

武「おまんの 言いてえ事ぐれえ 分かるさ。 『おらの事は 花子と呼んでくりょう』ずら?」

はな「ほうずら。」

本多「安藤…。」

「元気でいろし!」

「さいなら!」

「さいなら!」

「元気でいろし!」

道中

「さいなら!」

「さいなら はなちゃん!」

武「はなたれ~!」

「はな!」

「はな!」

はな「さいなら~!」

<こうして 10歳のはなは 故郷を旅立ちました。 曲がり角の先には 何が待っているのでしょう? この続きは また来週。 ごきげんよう。 さようなら。>

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