フロント
千香「あの部屋のお客様 ご連泊されてたの 忘れてた…」
純「えっ どうすんのよ? 部屋満室なんでしょ? 今日」
千香「だって… 忙しいの そっちが チェックイン 急かすから…」
純「ちょっと 人のせいにするわけ? いやいや あなたのミスなんだから あなたが なんとかしなきゃ いけないわけでしょう?」
桐野「みっともないから やめなさい ミスを人のせいにするのは」
純「いや だって 私は フロントに言われたとおりに 動いてお客様を…」
桐野「そんなことは 関係ないでしょ お客様に 迷惑をかけてるのは 私たち ホテルなのよ 言い訳をしている暇があったら 他にホテルを探すとか お客様のために考えたら?」
客室
純「村田様 お荷物をお持ちしました」
謙次「ありがとう」
純「お待たせしました」
ウソ? 愛くんパパ
謙次「あなたは こちらで 働いてたんですか」
純「あ はい ここって 村田様のお部屋ですよね? あれ? 私が 間違えちゃったのかな?」
謙次「あ いや…」
女「あ 荷物 来たんだ すみません 中に入れてもらえます? どうぞ」
謙次「僕が…」
女「ねえねえ 私たち どういう風に見えます?」
あー そういうこと… だから 偽名で泊まってるんだ
女「ありがとう」
謙次「純さん」
純「はい」
謙次「このことは… 妻には…」
純「ご心配なく 奥さんには もう会うこともないと思うんで じゃ 失礼します」
エレベーター
やさしくて いい人だと 思ったのに 愛くんのパパ
純「はー!」
愛くんママ
中津留「君! 失礼じゃないか お客様に」
純「あぁ すいません どうぞ」
多恵子「総支配人 ちょっと この人と話しがあるんで 先に行ってていただけます?」
中津留「かしこまりました」
純「あの 今日はなんで?」
多恵子「そんなこと あなたに教える必要ないでしょう それより 居場所 知ってるんでしょ?」
純「居場所? 私 旦那さんの居場所なんて 知らないです」
多恵子「なに 言ってるの? 愛に決まってるでしょ」
純「あぁ ですよねー すみません え? どうしてですか?」
多恵子「知り合いに良い精神科の先生がいるから 連れていくのよ 人の本性が見えるなんて 幻覚に決まってるんだから」
純「ちょっと 待ってください そんなこと する必要ないと思います 愛くんは 病気じゃないんで…」
多恵子「私がいつ あなたの意見を聞いた? 家族じゃないんだから 余計なこと言わずに早く教えなさい どこにいるの? 愛は?」
純「あの だから… この間もいいましたけど 私は愛くん信じるって決めたんです だから 居場所を教えることはできません すみません 失礼します」