狩野家
正「いやー 那覇に俺にジャストフィットする仕事がない って言ったら お母さんに またウチのホテルで働けばいいじゃないかって 頼まれてさ それに マリヤが子供産む時 こっちに居た方が安心だしな」
マリヤ「お義母さん 私手伝います」
純「なにそれ でも お父ちゃんが許さないんじゃないの?」
正「まあ 親父も そっちの社長さんに融資してもらった おかげで 設備投資したから マンパワーが必要なんだよ」
純「お兄ちゃん 本当にホテルで働きたいわけ?」
正「いや… それは ほら 俺は長男だし こう家族が 必死で戦ってる時にサイドラインから見てるようなことしちゃ いけないと思うんだ」
善行「正 なあ ちょっと ええか?」
正「うん お母さん」
晴海「うん?」
正「純!」
晴海「ええ 今忙しいのに」
マリヤ「私 やっときますから」
晴海「じゃあ お願いね マリヤさん」
マリヤ「はい」
正「なあ フロントのなあ 証明なんやけど… こう もっと ムーディに 明るい方が ええんとちゃうか と思ってな」
正「それは ナイスアイディアだね」
晴海「もしもし 純 どうしたの?」
純「なんか そっち にぎやかだね」
晴海「そうさぁ あのさ この頃 ホテルの お客さんも 多いし 家も3人増えたから 大変」
純「え? 3人?」
晴海「剛が 帰ってきたから なんかさ 宮古で UFOの目撃情報があったから 撮影するんだって 張り切ってて」
剛「UFO カモン! UFO!」
純「なに それ?」
結局 再び 家族 大集合かよ
晴海「マリヤさんのお腹も大きくなったから 色々気をつけないといけないし もう毎日忙しくて 目が回りそうさぁ」
とか言って すっかり 元気になってるし お母ちゃん
善行「もしもし お前 用がるんやったら はよ言え こっちは 企業存亡の時や 深謀遠慮を巡らして 艱難辛苦をともに乗り越え 捲土重来を誓いおうてる時や おい! 今月からな 倍々で稼いで 借金すぐに返す 社長にそう言うといてくれ!」
機嫌いいもんだから 四字熟語連発しちゃって
善行「あのな 今週からな 5つもな結婚式 続けて入ってんねん うん それだけやない 石垣のな なんたら とかいう フォークシンガーの人らがな ウチでな ミニライブやるって 言いだしてんねん それだけやない 観光科の方からな かりゆしのファッションショーも入ってんねん もう人手が足りんでな それで 剛のアホたれ 結婚式のキャメラマンに使うつもりや おう!剛! お姉ちゃん! お姉ちゃん!」
剛「お姉 お姉 俺 いい写真撮るよ」
純「何よ 私だって大変なんだからね 今 結婚式を挙げられないお客さんのために ホテル一丸となって みんなで 結婚式をサプライズで挙げようプロジェクトの責任者になったんだからね 私!」
はあ… 何言ってんだ 私は しかも 切れてるし… まあ その方が良かったけど… 本当は結婚式やる目途なんか 全然立ってないからさ…