オオサキプラザホテル
ロビー
早く考えなきゃ 私が社長だったら どうするか
純「自分が社長だったらねー」
あ! 桐野さんに聞いてみようかな? あ でも またキツイこと 言われるんだろうな
桐野「何か 用?」
純「え? あ そのネックレス 凄くステキですよね いつも してますけど 誰かからのプレゼントですか?」
桐野「早く 要件 言いなさい 本当に聞きたいことは そんなことじゃないって 顔に書いてあるから」
純「すみません あの… 外資との合併の話しは ご存じですよね? もし 桐野さんが 社長だったら どうしますか?」
桐野「そんなことを考えても意味ないわね」
純「どういう意味ですか?」
桐野「現実的には カイザーの案をのんで 合併するしかないんだから」
純「でも そこを みんなで 頑張れば」
桐野「ホテルは所詮 一企業で 夢やロマンで 食べてはいけないんだし」
その場を去る 桐野
真一郎「昔は あんなんじゃなかったんだけど」
純「え? そうなんですか?」
真一郎「今の君みたいに目がキラキラしてたのに俺のせいで」
純「ふーん え?」
真一郎「ん? いや いいや まあ いいや」
純「え?」
真一郎「あ これ 忘れ物かな?」
純「あ! これ ウチに毎日来てる おばあちゃんのだと 思います ウチのパン屋でアンパン 買うのが 毎日の 楽しみなんですって」
真一郎「ああ あの人?」
純「はい あの 私が 預かっときます 今日もアンパン買ってる」
回想
種田「張り切ってるわよね みんな この前 ここで 結婚式をやってから 顔がイキイキしてるし」
種田「オオサキのロビーは 居心地が良いし スタッフの人とも 気楽に おしゃべりが出来るし」
回想終了
純「社長」
真一郎「ん?」
純「あの 決めました 私が もし社長だったら どうするか」
真一郎の部屋
純「リストラはなし レストランやブライダルの外部委託も 受け入れられません 従業員は1人もリストラをしない代わりに みんな お給料を半分でやってもらいます 役員や社長を含め 全員無報酬にします」
純「信じたいんです 上の者が 身を切って責任を取れば みんな 付いてきてくれるって それだけ オオサキを愛してくれてるって ホテルマンに不可能はないんです みんなで 一丸となって 同じ目的に向かえば」
真一郎「やっぱり キラキラしてるな 君の目は」
純「青臭いこと言ってるのも 現実が厳しいのも 分かってます でも 奇跡を 信じて頑張りませんか 社長」
真一郎「ごめん」
純「え?」
真一郎「もう 合併するって 契約しちゃったんだ」
な なんじゃそりゃ