糸子「そっち 取って。」
孝枝「はい。」
糸子「これやな?」
孝枝「これですわ。」
糸子「な これ どない?」
澄子の母「もう どれでもええよ。」
糸子「何でや? ちゃんと見てえや。 せっかく こさえんやさかい。」
澄子の母「もう どれ 着ても ばばあや。」
糸子「そら ばばあが 乙女には ならんけどやな 娘さんらが こんなけ きれえな お母ちゃん 見たがってんや な!」
澄子「せやで お母ちゃん。」
糸子「お母ちゃんは きれえにして 笑てんのが仕事や。 そう思わへんか?」
澄子「えらい仕事やな。」
糸子「そらせや。 仕事やさかい。 お互い頑張ろよ。 ね!」
孝枝「はい こっち 持ちますよ。 せ~の よいしょ!」
糸子「あ~ フフフ! よし ええで!」
澄子「ほんまかいな もう。」
孝枝「ほな 座りましょ。 はい!」
澄子「これで ええんやったら うちも 作らせてほしいわ。」
糸子「ハハハ なあ!」
玄関前
澄子「先生 ほんまに おおきになあ。」
糸子「こっちこそ おおきに。 ま 任しとき。 絶対 ええのん dけるで。」
澄子の母「おおきに。」
糸子「気ぃ付けてな。」
澄子「さいなら!」
孝枝「おおきに ありがとうございました!」
糸子「ありがとう!」
澄子「お母ちゃん よかったなあ。」
孝枝「先生 やっぱし オーダーメードて ええもんですねえ。」
糸子「嫌な事 思い出してしもた。」
孝枝「何ですか?」
糸子「あ~ どないしよう。」
孝枝「何ですのん?」
岸和田商店街
(自転車のベル)
正志「おう!」
里香「おう!」
♬~(クリスマスソング)
正志「ん。 荷物 載せえよ。」
♬~(クリスマスソング)
正志「クリスマスイブ 自分 どっか行くんけ?」
里香「行かないよ。」
正志「東京とか帰らへんけ?」
里香「帰んない。」
正志「ほな ケーキ 食いに行かへんけ?」