連続テレビ小説「カーネーション」第138回「宣言」【第24週】

糸子「これ ええやろ!」

栄之助「あ~!」

糸子「ここがな こないなってんのが ポイントや。」

譲「こら ええわ!」

栄之助「よう でけてるわ!」

糸子「柄も うまい事いった。」

栄之助「ほんまに ようでけてますわ。」

譲「ここが またええで。」

糸子「これもな 仲に何か はいたらええ。」

(一同の感嘆の声)

孝枝「やっぱり こっちの方が しゃれてるん ちゃいます?」

糸子「まあなあ ここの感じは 確かに こっちがええけど あんた どない思う? 声 ちっちゃいねん。」

浩二「これが先生の…。」

リビング

オハラ洋装店

糸子「どこの素人や! 冗談ちゃうで こん縫製! 見てみ これ! あんた こんなん よう受け取って 帰って来んな? 縫製屋 替え! こんな 根性入らん 仕事するとこはな 何べん言うたかて 一緒や!」

(ミシンの音)

浩二「先生…。」

孝枝「大丈夫ですか? 膝。」

糸子「ちょっとだけや。 かめへん。 このごろの子ぉらには おちおち 仕事 任せられへんやさかい。」

里香「おばあちゃん 御飯 出来たけど。」

糸子「うん。 いてて!」

里香「おばあちゃん! おばあちゃん!」

(うめき声)

里香「大丈夫?」

糸子「大丈夫。 いててて! ああ~! あ~!」

里香「おばあちゃん。」

糸子「ん?」

里香「やめて。」

糸子「何をや?」

里香「見たくない。 おばあちゃんが 苦しんでるところ。」

糸子「フフフ! あ~! ほうか。 あんたには うちが 苦しんでるよう見えるんけ? そら 誤解や。 うちはな 苦しんでなんかない。 夢中なだけや。 人間 ほんまに夢中な時は 苦しそうな顔に なるもんなんや。 運動の選手とかかて 見てみ。 みんな 試合中は 苦しそうやろ? おおきに。 え~ おおきに。 心配 要らんで。 泣きな 泣きな。」

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