直子「もう 真ん中 寝にくいわ。」
優子「聡子。」
聡子「ん?」
優子「何時に 日本 着いたん?」
聡子「7時半。」
優子「ふ~ん。 関空?」
聡子「うん。 お姉ちゃんらは?」
優子「うちは 朝イチの新幹線や。 昨日中に来たかったんやけど どないしても 都合がつかんでな。」
直子「また あんなん言うてんで。」
優子「何や しゃあないやんか。 あんたかて 昨日中に来たはええけど 夜 ぐうぐう寝てたらしいやん。 孝枝さん びっくりしてたで。『うちの親でもないのに うちのが よう寝んかった』て。」
直子「ほんでも うちが一番に来たんは 間違いないよってな。 お母ちゃんが起きたら これだけは言わしてもらうで。」
優子「よう寝といてか?」
直子「チッ! う~ん。」
聡子「どうなん… お母ちゃん?」
優子「うん?」
聡子「今 どうゆう状態なん?」
直子「今夜が 山やて。」
(泣き声)
(3人の泣き声)
翌朝
(小鳥の鳴き声)
優子「ちょっと! お母ちゃん? お母ちゃん!」
糸子「うう う~ん。」
優子「ちょっと… えっ お母ちゃん!」
直子「どないしたん?!」
優子「お母ちゃんが…。」
聡子「お母ちゃん?」
優子「やった 起きた!」
直子「お母ちゃん 起きた! お母ちゃん!」
糸子「ちょっと… うるさい あんたら。」
優子「よかった お母ちゃん!」
糸子「あ 痛い痛い痛い…。 うるさい。」
優子「あ~ よかった お母ちゃん!」
直子「えらいこっちゃ 2日分の予定 全部 放り出してきてしもた。」
優子「あ せや。 今日の夜のレセプション あれ 断ったけど やっぱし 行けんな。」
直子「レセプション?」
優子「うん。」
直子「どこのん?」
優子「ミューズのな 青山店。」
直子「ああ 大した事ないで あれ。」
優子「ほんまか?」
直子「聡子 聡子?!」
聡子「はあ?」
直子「あんたも はよ チケット取っとかな 今日中に ロンドン 帰られへんで。」
聡子「もう さっき ミッキーに頼んだ…。 あ~ 時差ボケや…。」
優子「なあ あんた 次 いつ帰ってくるん?」
聡子「まだ決めてへん 忙しいねん。」
直子「あ 聡子。 来月な うち パリ 行くから その帰り 寄るわ。」
聡子「ああ 待ってるわ。 忙しいから 会えへんかもしれんけど。」
優子「うちも 来月 ニューヨークや。」
聡子「ニューヨーク 行くん? 忙しいなあ。」
優子「ほな お母ちゃん うちら ひとまず 帰るけど 孝枝さん 来たら よろしゅう言うといて。」
糸子「うん。」
直子「また都合つけて すぐ来るよって 先生の言う事 よう聞きや。」
聡子「はよ元気になってな お母ちゃん!」
糸子「心配かけたな。 気ぃ付けて。 おおきにな。」
優子「ほなな!」
糸子「うん…。」
直子「ほな!」
聡子「ほなな お母ちゃん!」
優子「無理した あかんで。」
直子「ほなな。」
聡子「ほなな。」
<おおきに 優子 おおきにな
エントランス
直子「ちょっと 姉ちゃん 駅まで 行くやろ?」
優子「うん。」
直子「うちも一緒に乗っけて。」
優子「ああ ええよ。」
<直子 おおきにな>