連続テレビ小説「カーネーション」第5回「あこがれ」【第1週】

糸子「うわ~ きれいな箱や。」

静子「きれえ。」

清子「箱や! ええなあ。」

光子「きれえ。」

糸子「母ちゃん おばあちゃん 箱 くれた!」

千代「ほんまや きれえやなあ!」

糸子「ぴかぴかや~! 外国のんかな? うれしいな~! 何 入れて 使おかな! 何か入ってる。」

千代「何や 糸子 箱ちゃうやん。 洋服やて。 『外国のお客さんから 頂いたんやけど おばあちゃんとこには 男の子しか おらんから うちで着なさい』やて。」

糸子「うわ~い! わ~い ドレムや ドレムや! あんたら これが ドレムやで! ドレム!」

千代「ドレム? ドレスの事か?」

糸子「どないしよう! ドレムや!」

千代「ドレスやて。」

<うちは もう うれしゅうて うれしゅうて>

小原呉服店

善作「何じゃ そら?」

糸子「ドレスや!」

<やっと ドレスちゅう名前も覚えて>

糸子「おばあちゃん 見て見て!」

ハル「え? うわ 珍しいもん もうたんやな。」

糸子「ドレスやで!」

ハル「着てみいな。」

糸子「え~ え~ 恥ずかしいなあ~! けど 着てくるわ!」

<せやのに ほんまに残念やったんは>

子供部屋

千代「やっぱし ぴったりや~! 静子に。」

<ドレスは うちには 小さすぎた事です>

静子「きれえなあ~。」

千代「髪もな ここに リボンつけたら お人形さんみたいや。」

糸子「うちかて着れる!」

千代「入らんもんは 入らへんの。 しゃあないやんか 無理したら破けてしまうやろ。」

清子「なあ うちも大きなったら着たい。」

千代「せやな。 静姉ちゃんに ちいちゃなったら あんたが着ような。」

光子「うちも。」

千代「せやな 清姉ちゃん ちっちゃなったら 光ちゃん 着ような~。」

<だんじりと一緒や 手に入りそうで入らへん。 ほんでも よう考えたら 1個だけ だんじりと ちゃうのは 女のうちにも いつかは 手に入るかも しれへん ちゅうところです>

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