連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第55話「1963-1964」【第12週】

玄関前

錠一郎「サッチモちゃん。 ありがとう。 これで勝てた。」

るい「そやない。 大月さんの実力…。」

錠一郎「結婚しよう。」

竹村家

竹村クリーニング店

ラジオ・磯村『さて 皆さん 去る土曜日 ついに 『関西 ジャズトランぺッター ニューセッション』が開催されました。 見事 優勝を勝ち取ったのは 大月錠一郎でした。 盟友 トミー北沢と甲乙つけがたく 2人での決戦となったセッション。 これが もう熱い! もう 熱うて 熱うて もう灼熱のようでした。 あのセッションは 間違いなく伝説となるでしょう』。

平助「すごいなあ。」

和子「なあ。 るいちゃん。 今度 大月君 連れといで。 お祝いしよ お祝いを。 なあ?」

平助「うん うん… うん?」

和子「るいちゃん。」

八木『それでは 平助さん どうぞ』。

平助『こないだのコンテストに 関係あること?』。

るい『ええ まあ…』。

平助『実は ひそかに るいちゃんも出とったとか』。

和子『そないなわけあるかいな。 あれやろ 大月君の優勝に関係あるやろ』。

平助『えっ えっ そうなんか?』。

八木『関係あります』。

和子『言われたんやろ 大月君に 『結婚してくれ』て。 『東京 一緒に行ってくれ』て』。

八木『正解!』。

一同『え~!』。

和子『よう そないな厚かましいこと 言えたもんやな。 うちで さんざん仕事教えたったのに 今更 店辞める? ハッ 冗談やあれへんわ』。

平助『るいちゃん そら ないで。 るいちゃんのこと 実の娘のように かわいがっとったのに』。

るい「ごめんなさい! おじさん おばさん。」

平助「びっくりした。 何や 何を誤ってるんや。」

るい「あっ いえ…。」

和子「何… 何やの。 ハハハハハッ。」

<るいは プロポーズのことも 東京行きのことも言い出せずにいました>

和子「おいでやす… あらっ!」

平助「あっ うわさをすればや。」

錠一郎「こんにちは。」

和子「『こんにちは』やあらへんで あんた。 おめでとう。」

平助「おめでとう。 すごいなあ。 関西一のトランぺッターやて。」

錠一郎「いや いや いや… ありがとうございます。」

和子「あっ 入り入り。 るいちゃん お茶いれたげて。」

平助「うんうん うんうん。」

居間

和子「ここ 上がって 上がって。 あっ そや あの サインもらわな。 サインを。」

平助「あかん 色紙あれへん。」

和子「あ~ あのポスターをな 剥がして 裏向きにしたらええ。」

平助「せやな。」

和子「これ これ これ。 これ ええわ。 これを切って…。」

錠一郎「おじさん おばさん。 サッチモちゃんを僕にください。」

るい「あっ ちょっと…!」

平助「あ… くださいって… 大月君 それ…。」

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