<ネット検索も怠らない。 八海サマの本名が横山 崇であることや 彼の住んでいる住所も 独自のルートで入手した>
ミワ「まあ… だから何をするってわけでも ないんだけど。 えっ! ウソ 八海サマが家政婦を募集してる?! えっ 待って 住所は…。 合ってる! え… どうしよう ウソ。 もし 家政婦になれたら 八海サマと同じ空気を吸えるってこと!?(荒い息遣い)」
ミワ「高卒…。 英検4級… 整理収納… ないです ないです。 ない ない
ない ない…。 はぁ…。」
八海邸
<自分でも どうかしてるのは分かってる。 でも どんな人が採用されたのか 一目見てみたくて 気付けば八海邸に向かっていた>
「こんにちは。」
「こんにちは。」
ミワ「こんにちは。 完全に不審者…。 もう帰ろう。」
(衝突音)
ミワ「え? え…。」
「大丈夫? 痛いとこない?」
美羽さくら「ううん…。」
「聞こえる?」
ミワ「あの 大丈夫ですか? えっ!? 三毛猫ハウスサービス 美羽さくら…。」
<ひょっとして この人が 八海サマに採用された家政婦さん?>
「大丈夫?」
ミワ「あ… あの 救急車は?」
「どうぞ。 付き添いの方 お乗り下さい。 足元 気を付けて。」
「はい ドア閉めま~す。」
(サイレン)
藤浦「何の騒ぎですか?」
ミワ「あ… あっ あの 今 あの…。」
藤浦「もしかして 三毛猫ハウスサービスの… 美羽さん?」
<もしかして 私 今 運ばれていった人と 間違えられてる?>
<今までの人生 できるだけ目立たないように そして 嫌われないように 自分の本音は ずっと小さな部屋に閉じ込めてきた>
<だけど今こそ 人生を変える時>
ミワ「はい。 三毛猫ハウスサービスの… ミワです。」
藤浦「どうぞ お入り下さい。」