連続テレビ小説「なつぞら」第126話「なつよ、新しい命を迎えよ」【第21週】

なつ「はい。 夫が支えてくれていますから。」

堀内「あのイッキュウさんが子守りか… 想像できないな。」

なつ「もう立派な父親ですよ。」

堀内「そうか…。」

荒井「よっしゃ ほな早速 お願いします。」

なつ「はい ハハ…。」

堀内「ちょっと 荒井さん 最初は あんま無理させないって 言ってたじゃないですか。」

荒井「言ってたんや! なっちゃん…。」

なつ「ありがとうございます。」

<『魔法少女アニー』は 放送も 3年目に入り まだまだ 人気が続いていました。 なつは 原画として そこに復帰しました。>

坂場家

リビング

(優の泣き声)

坂場「は~い はい はい はい はい はい…。 はい はい はい… はい はい はい…。 うん? どうしました? ママですか? ママは お仕事ですよ。 優ちゃんのママは頑張っていますから 寂しくても 少し我慢しましょう。 ね。 ママのお仕事は アニメーターです。 アニメーターとは ありえないことを 本当のように見せる人のことです…。」

東洋動画スタジオ

テレビ班 作画室

なつ「面白いじゃない… 中島君 腕を上げたね。」

中島「ありがとうございます。」

なつ「腕の動きに もう少し タメを作ると もっと迫力が出ると思う。」

中島「はい。」

なつ「この調子で頑張って。」

中島「はい。 ありがとうございます。」

<仕事中 なつは 必死に優のことを忘れようとしました。 だけど それは無理です。>

マコプロダクション

(電話の呼び鈴)

麻子「はい マコプロです。」

坂場『もしもし 坂場です。』

麻子「ああ イッキュウさん! お久しぶり。」

坂場『ご無沙汰してます。』

麻子「なっちゃんから連絡もらったわよ。 女の子だって? おめでとう。 そっちが落ち着いたら 赤ちゃんの顔見に お邪魔しようかと思ってたんだけど。」

坂場『彼女は 今日から仕事に復帰しました。』

麻子「えっ もう? そうなんだ。」

坂場『そっちは どうですか? この前 見せてもらった企画は 通ったんですか?』

麻子「『三代目カポネ』? あれは まだね。 何たって 日本では まだなじみのない 大人向けのアニメーションだから。 今 売り込み用のパイロット版 作ってるところよ。」

坂場『僕は この何年か アメリカの ペーパーバック小説なんかを翻訳してきたから ギャング物なら いくつか アイデアを出せるかもしれません。』

麻子「だから 早く来てちょうだいよ。 待ってるんだから。」

坂場『はい。 すいません。』

麻子「でも なっちゃんに 負担は かけないようにね。」

坂場『分かってます。』

麻子「こっちは いつでも待ってるから。」

坂場『はい… それじゃ また。 はい…。』

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