なつ「そう思う? お兄ちゃんも。」
咲太郎「なつ… 優のことは 俺も一緒に守るからな。」
なつ「分かった…。」
咲太郎「おやすみ。 お前も ゆっくり休めよ。」
なつ「おやすみなさい。」
咲太郎「あ… いいから。 じゃあな。」
なつ「気を付けてね。」
咲太郎「うん。」
(戸の開閉音)
なつ「優… おいで。 よいしょ…。 ごめんね 優…。 ごめんね…。」
(戸が開く音)
坂場「ただいま。」
なつ「お帰り。」
坂場「そこで 咲太郎さんに会ったよ。」
なつ「うん。」
坂場「風邪だって?」
なつ「うん…。」
坂場「夕方 マコさんからも聞いたんだ。」
なつ「夕方? ねえ だったら どうして すぐ連絡くれないの。」
坂場「すまない…。 明日からは 僕が 家で仕事するよ。 そうできるように してもらってきたから。」
なつ「えっ…。」
坂場「明ちゃんに うつるから 預けられないだろ。」
なつ「大丈夫なの?」
坂場「大丈夫。 十分 打ち合わせはしてきたから。」
なつ「ごめんね…。 作画監督なんか やっぱり 引き受けなきゃ よかったかな…。」
坂場「何 言ってんだ。 子どもが 風邪ひくなんて 当たり前のことだよ。 そんなことで いちいち動揺してたら 子どもなんか育てられないよ。 2人で なんとかすればいいんだよ。 いや 優と3人で頑張ろうよ。」
なつ「ん? 急に どうしたの…。 お兄ちゃんに 何か言われたんだ?」
坂場「えっ? いや… 別に そんなことないよ。」
なつ「フフ…。 でも ありがとう。」
下山家
<夫婦の努力と みんなの思いやりで 優は また すぐに 元気を取り戻し おかげで 大きな病気もせずに すくすくと育っていきました。>
茜「優ちゃん お利口さん。」
東洋動画スタジオ
テレビ班 作画室
<そして なつも 徐々に 自分らしく 働く母として育っていったのです。>