菊介「お~ いいんでねえか。 うまい うまい うまい…。」
麻子「神っちは スケッチしないの?」
神地「あ… いや スケッチすると 記憶に残らない気がするんですよね。 絶対に忘れまいと 目で見た方がいいんです。」
照男「すごい!」
神地「いや~ そんなことないですけど…。」
照男「やっぱ うまいもんだな。」
下山「あっ… どうも。」
神地「あっ そっちか…。」
門倉家
門倉「ほれ ハハハハハ…。 これは ラッパという 種をまく農具だ。」
門倉「うん…。 そして これが 大正時代に この十勝で開発された農機具だ。 三畦カルチベータという。」
坂場「3つの畝を いっぺんに掘り起こせるんですね。 十勝の開拓者が考えたんですか?」
門倉「そうだ。 これは うちのじいさんが 実際 使ってたもんだ。」
なつ「番長のおじいさんは どっから来たの?」
門倉「四国の香川県だ。」
良子「うちのじいちゃんは 四国の徳島県なんだわ。」
なつ「そんじゃ よっちゃんと番長の先祖は 近かったんだね。」
門倉「俺たちが 十勝で出会うことは 運命だったんだわ ハハハハ…。」
良子「勝農の演劇部を手伝ったのが 運の尽きだったわ。」
門倉「ハハハ…。」
桃代「あのさ 番長って あの番長?」
なつ「ん?」
神地「だよね 魔界の番長だよね!」
門倉「奥原! あれ見てたぞ。 やっぱり あれ 俺か? 奥原が 俺を主役に…。」
なつ「いや あの 原作の漫画が たまたま似てたから…。」
門倉「俺が 本物の魔界の番長だ! どうだ? 優ちゃん。」
『うあああ…!』
優「うん… 番長 大好き!」
門倉「そうか…。 よし! ほら 行くべ 行くべ! よいしょ ほれ!」
下山「ちょっと 危ない 危ない 危ない…!」
門倉「ワハハハハ…!」
良子「あれで しばらく機嫌がいいわ。 なっちゃん ありがとう。」
なつ「えっ?」
良子「好きなだけ見てって。 ちょっと あんた…!」
坂場「モモッチ ここも撮っといて下さい。」
桃代「はい。」
坂場「写真。」