連続テレビ小説「なつぞら」第15話「なつよ、これが青春だ」【第3週】

なつ「話ぐらい聞こうよ じいちゃん。」

泰樹「ん?」

なつ「私も聞きたいから 一緒に聞こう。」

泰樹「じゃあ しゃべれ。」

剛男「あ… はい。 去年のような 冷害の多いこの土地では 農家は みんな 酪農もする必要は感じていても 牛を購入する資金がなくて 手を出せないんですよ。 だから 農協で 牛を保有して それを貸すことにしたわけです。」

なつ「それは すごくいいことだと思う。」

剛男「そうだろ?」

泰樹「だからといって 農協が 牛飼いを 牛耳っていいことにはならんぞ。」

剛男「酪農家を牛耳るだなんて そんなこと考えてませんよ。」

なつ「牛耳るって?」

富士子「牛耳るって 牛の耳って書くのよね?」

夕見子「そう。」

富士子「なしてかしら?」

なつ「母さん そこは 今 気にしなくていいと思う。」

富士子「ああ… そうね。」

剛男「我々は ただ 農家の力になりたいだけなんです。 みんなで 安心して暮らせる土地に したいだけなんですよ。」

泰樹「お前は 牛飼いのことは 何も分かっとらん。」

なつ「じいちゃん それはひどいよ。」

剛男「ひどいです! 私だって 富士子ちゃんと結婚してからは 22年も!」

明美「あっ 富士子ちゃんが出た。」

なつ「シ~。」

剛男「そりゃ お義父さんの力には あんまり なれなかったかも しれませんけど… けど そばで ず~っと お義父さんの苦労を見てきたつもりです!」

なつ「あの~ よく分かんないんだけど 何が問題なの? じいちゃんは。」

泰樹「問題など 何もない。 農協が 勝手に 問題をこじらしとるだけじゃ。」

剛男「そんなことは ありませんよ。 お義父さん この村に電気が通って 明るくなったのだって 我々 農協組合が 努力して資金調達をしたからです。 団結なくして 農業も酪農も よくなっていきませんよ。 少しは 我々を信じて下さい お義父さん!」

泰樹「分かった。」

剛男「えっ… 分かってくれましたか?」

泰樹「電気いらん。」

剛男「えっ?」

泰樹「明日 電信柱 引っこ抜け。 世の中 無駄に明るくなり過ぎる 大事なことが見えんようになる。」

夕見子「うまいこと言うな じいちゃん。」

なつ「夕見! ひっかき回さない。」

旧牛舎

照男「何だ? なつ。」

なつ「ああ 照男兄ちゃん。」

照男「見回りは 俺がやるから いいって言ってるだろ。 お前は 学校があるんだから 早く寝れ。」

なつ「大丈夫。 あのさ… 照男兄ちゃんは どう思う?」

照男「ん?」

なつ「じいちゃん 何で あんな怒ってんのさ? そんな怒ることかな? 父さんの言ってること。」

照男「お前が気にすることはないよ。 したから じいちゃんも お前に話さないんだべ。」

なつ「でも どういうこと?」

照男「天陽君とは 何も関係ないことだ。」

なつ「えっ?」

照男「したから 気にすんな。 おやすみ。」

なつ「天陽君のことは関係ないってば…。」

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