連続テレビ小説「なつぞら」第15話「なつよ、これが青春だ」【第3週】

居間

富士子「それは 分かってるけど 父さんの気持ちもね。」

剛男「あ なつ…。 なっちゃん。」

なつ「えっ?」

剛男「ちょっと こっち いらっしゃい。 ほら お茶でも飲まないか?」

なつ「よいしょ… 何?」

富士子「ちょっと なつをどうする気?」

剛男「別に どうもしないよ。 だけど なつだって気になってるだろ?」

なつ「うん 気になってる。 じいちゃんのことしょ?」

剛男「そうなんだ。」

富士子「なつを巻き込まないでよ。」

剛男「そんなこと言うなら なつは もう巻き込まれてるんだよ。 これは なつの将来に関わることなんだから。」

なつ「じいちゃんと何があったの?」

剛男「うん… 実はな 今度 農協で 牛乳を 一手に引き取ろうかと 思ってるんだ。」

なつ「牛乳を 一手に?」

剛男「そう。 今までは 酪農家は 直接 乳業メーカーに卸してただろ? それを 農協が まとめて 乳業メーカーに卸そうとしてるんだよ。」

なつ「それに じいちゃんが反対してるわけ?」

剛男「そうなんだ。」

なつ「ありがとう。」

富士子「じいちゃんは 農協を頼りたくないのさ。 自分の牛乳は 自分の力で売りたいだけなの。 昔から 何でも 自分の力でやってきて それを支えに生きてきた人だからね。」

剛男「だからといって うちの牛乳だけ高く売れれば それでいいってわけにはいかないよ。」

富士子「それは 分かってるわよ。」

剛男「このままだと 力の弱い小さな農家が 泣くことになるんだ。 それで いいと思うか? なつは。」

なつ「そうは思わんけど…。」

剛男「頼む なつ 音問別の酪農のために 立ち上がってくれないか。」

なつ「え~…。」

夕見子「何 大げさなこと言ってんのさ。」

剛男「何だ 聞いてたのか。」

夕見子「別に 興味ないから気にしないで。」

剛男「少しは興味を持ちなさい お前も なつと同じ高校生だろ。」

夕見子「私は普通校。 普通に生きます。 お母さん 私も お茶が欲しい。 普通に 喉渇いた。」

剛男「なつ じいちゃんさえ 組合に任せるって言ってくれたら 天陽君だって幸せになれるんだよ。」

なつ「えっ?」

富士子「そっ… そんな ずるい言い方しないでよ!」

剛男「いや ごめん… けど そういうことなんだ。 頼む なっちゃん じいちゃんに言ってくれないか。 農協との話し合いに応じるようにって。 私は 農協に賛成だって。」

なつ「え~…。」

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