富士子「ほら 普通に しゃべってるじゃないの 今日だって。」
明美「なつ姉ちゃんが 黙ってるからじゃない? 何か 変なの…。」
なつ「えっ?」
明美「なつ姉ちゃん どしたの? 何か 悩んでることでもあるの?」
富士子「あるの?」
剛男「あるのか?」
なつ「ないよ。 普通だよ。 何言ってんのさ 明美。」
明美「だって なつ姉ちゃん お兄ちゃんの夢を見たなんて言うから…。」
富士子「えっ?」
剛男「どっちの?」
照男「(せきこみ)」
剛男「どっちでもいいか…。」
なつ「東京の。 寝る前に 今頃 どうしてるかなって思ったから そんで 夢に出来てきたんだと思う。」
剛男「あれから 無実が証明されて 警察は 無事出たんだろ?」
なつ「うん…。」
富士子「けど 行方が分からないのは心配よね。」
夕見子「明美は 本当 余計なこと しゃべるんだから。」
明美「だって 心配だったんだもん!」
夕見子「あんたが 何を心配すんのさ?」
明美「だって… 人は 死ぬ時 大事な人の夢に出るんでしょ?」
なつ「えっ?」
富士子「誰が そんなこと言ったの?」
明美「花村先生。」
照男「関係ねえだろ。 夢に 誰かが出るなんて 普通のことだよ。」
剛男「お前の夢にも 誰か出るのか?」
照男「えっ?」
剛男「あっ… どうでもいいけどな そんなことな ハハハ…。」
なつ「あっ そうだ! 今日 学校で バターを作ったんだわ。」
富士子「バターを?」
なつ「うん。 あ そんでね じいちゃん 雪月のおじさんが うちに バターを作ってほしいんだって。」
泰樹「雪月が?」
なつ「おじさんが バターを使った 新しいお菓子を考えてるみたいだわ。」
泰樹「ああ そうか。」
なつ「考えないとね… これからは ちゃんと そういうことも。」
泰樹「うん。」
なつ「うん。」
<数日後 なつと天陽君は 帯広の映画館に向かいました。>
列車
なつ「どんな話だべか…。」
天陽「見して。」
なつ「うん。」
天陽「ふ~ん…。 ディズニー。」
なつ「それは知ってるわ アハハハ…。」