あらすじ
橘家では、肺を患い苦しむ杵太郎(大和田伸也)の枕元で、安子(上白石萌音)が懸命に声をかけていました。その頃、雉真家では稔(松村北斗)が出征することが決まり、千吉(段田安則)は頻繁に大東亜銀行の頭取と面会をしています。出征までに、頭取の娘との縁談を取りまとめるためでした。稔と安子の互いの気持ちを知る勇(村上虹郎)は、2人の結婚を許すよう千吉に頼み込みますが、まともに取り合ってはもらえず…。
14話ネタバレ
河原
ラジオ『国内必勝体制強化のため 政府は 学徒をして 直接戦争遂行に 参与せしむることに方針を決定』。
<稔は 出征することになりました>
神社
勇「あんこ。 久しぶりじゃのう。」
安子「勇ちゃん…。」
勇「店ぇ行ったら閉まっとったから きぬに聞いた。 この時間なら ここじゃろって。」
安子「勇ちゃん 東京の大学に行きょおるって聞いたけど。」
勇「ああ… 大学野球は のうなったんじゃ。 知っとろう? 二十歳以上の学生の 徴兵猶予停止のこと…。」
安子「おめでとうございます。 お兄様のご武運を お祈り申し上げます。」
勇「うそぉつくな。 毎日 こけえ来て 兄さんの無事を祈りよんじゃろ。 兄さんだって 今でも おめえのことを思ようる。 このままでええんか。」
安子「もう… 私には関わりのねえ人です。」
橘家
杵太郎の部屋
<杵太郎は 腰痛が悪化した上に 肺を患っていました>
安子「起こした?」
杵太郎「あんこの… 夢を見とった。」
安子「あんこの?」
杵太郎「おいしゅうなれ。 おいしゅうなれ…。 甘え香りがすると思うたら ハハ… 安子がおった。」
安子「フフフッ。」
杵太郎「ハッハッハッ。」
安子「おじいちゃん。 フフフフッ。」
杵太郎「安子。 ああ…。 幸せになれ。 幸せになれ。 幸せに… なれ。」
安子「おじいちゃん…。 おじいちゃん。」
杵太郎「ああ…。 あ~ 安子。 ハッハッハッハッ。」
<程なくして 杵太郎は この世を去りました>