夜ドラ「作りたい女と食べたい女」(第24回)

南雲「ここ よくテイクアウトするんだよね。」

矢子「あっ ごはん よかった? もう食べた?」

南雲「あ… うん。」

矢子「ん?」

南雲「今 病院行ってたんです。 この近くの。」

矢子「ああ そうだったんだ。」

南雲「うん。 そこでね 会食恐怖症って 診断されて。」

矢子「え?」

南雲「うん。」

矢子「会食恐怖症って 人とごはんを 食べることが難しいっていう…。」

南雲「はい。」

矢子「この間も 詳しくは聞いてなかったけど ごはんは食べないって ユキさんから聞いてて そういうことだったんだね。」

南雲「うん。」

矢子「そっか…。」

南雲「病院行ったら ずっと悩んでたことに名前が付いて 治りますよって言われて… 力抜けちゃった。」

矢子「そっか。」

南雲「そんな簡単ではないと思うけど でも 治るんだなあ。 人とごはん食べるなんて みんなが当たり前にできることなのに 私には難しくて 自分は駄目な人間なんだって ずっとずっと思っちゃってたんだけど。」

矢子「そうだったんだね。 あ… さっき 私 ごはん食べる? とか聞いちゃってごめんね。 カレーパーティーの時も大丈夫だった?」

南雲「ううん。 むしろ 私が食べないのに 何でとか 聞かないでくれたから 居心地よかった。」

南雲「帰りにくれたお土産も おうちでなら おいしく食べられて。」

矢子「そっか。 食べないってことだけ聞いてたから 了解! って思って 深く考えてなかったな。」

南雲「ハハ…。」

矢子「でもさ 人とごはんが食べられないから 駄目な人間ってことはないよね。」

南雲「え?」

矢子「本当は 食べるのも食べないのも 好きにできたら 一番いいのに。 無理せず 自分のペースでいられたらいいよね。 もちろん 南雲さんの治したい気持ちは 全力で応援するんだけど!」

南雲「うん ありがとう。」

矢子「あのさ どうしてほしいとか 逆に してほしくないこととかある?」

南雲「う~ん…。 あ 野本さんと春日さんに出会って 二人が ごはんがある場所に 誘ってくれるようになって うれしかったんだ。 矢子さんとも出会えて。 だから これからも 気にせず誘ってくれたらうれしい。 あと 気にせず食べてくれたらうれしい。 私は 自分のペースを これから見つけていくから。」

矢子「分かった。 気にせず食べる。」

南雲「ありがとう。」

矢子「じゃあ 私 お昼食べるね。」

南雲「はい。」

矢子「ここのさ サラダのドレッシングが めっちゃおいしいんだよ。」

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