夜ドラ「作りたい女と食べたい女」(第2回)

野本「ありがとうございます。」

春日「これ 使っていいですか?」

野本「あっ はい。 ちなみに 春日さんの食費は 毎月どれくらいですか? あっ あの… 差し支えなければで…。」

春日「なるべく抑えたいので ふだんは 少なめにしてるつもりですが… それでも 大体 収入の3分の1は 食費に消えてますね。」

野本「節約とか何か やってたりします?」

春日「職場に お弁当を持っていったりとか スーパーの安売りの日に買い物したり。 あとは… ちょっと行ったところに ファーマーズマーケットがあって 車があるので たまにそこへ。」

野本「え~ いいな~。 楽しそう!」

春日「結構安くて 新鮮な野菜が買えます。」

野本「そうなんだ。 行ってみたいな~。 あっ 春日さん もう大丈夫です。 お茶持っていくので 座ってて下さい。」

春日「ありがとうございます。」

野本「はい。 でも そもそも今 物価高すぎますよね。 あと 女って やっぱり 給料上がりづらいんだなあとも 思いますし。 しかも私 派遣なので 何か いろいろ考えちゃいます。」

春日「私も契約社員なので 分かります。」

野本「そっか。」

春日「いろいろ踏まえると やはり これでは足りないですね。 野本さんの方で 計算し直してもらえますか。」

野本「でも… やっぱり お金を出してもらうほどのものでは…。」

春日「野本さん 労力に対して お金を払うのは 価値を明確にする上でも 一番手っ取り早い手段だと思うんです。 それに このまま ご馳走してもらい続けるだけだと お互いがフェアじゃない気がして 私が嫌です。」

野本「そ そう…?」

春日「だから お金 受け取って下さい。」

野本「では ありがたく頂戴します。 これで また たくさん作りますね」

春日「楽しみです。 たくさん食べます。」

野本「あっ あの あの 今までは ごはん系ばっかりだったんですけど 甘い系とかも いけますか? お菓子とか。」

春日「甘い 酸っぱい 辛い しょっぱい 全部いけます。 嫌いなものは ないです。」

野本「すごい! じゃあ これから いっぱい作りますね!」

<って言ったのに…>

<つらくて 何もやる気がしない…>

野本『土曜日 なにが食べたいとかありますか?』。

春日『なんでも大丈夫です。 野本さんが作りたいもので』。

野本『わかりました! メニュー考えたら連絡しますね』。

春日『楽しみにしています』。

春日『具合わるいですか。 もしかして』。

野本「えっ 何で…。」

野本「実は生理になってしまいまして。 ナプキンも鎮痛剤もなくなってしまったのですが、動けずで…。 すみません、ごはんも作りたかったのに、何も準備できていなくて。」

春日『ナプキンは普段何を使っていますか?買っていきます。 鎮痛剤はどこのですか』

野本「…優しい。」

春日『食欲はどうですか 食べたいものありますか』

野本「食べたい物…。」

回想

母「ユキ お熱下がったね。 何か食べられる?」

野本「焼きおにぎり…。」

回想終了

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