玄関
恵里「あ 文也君!」
柴田「どうも。」
文也「どうも ありがとうございます。 あ あの…。」
恵里「ん? どうしたの?」
文也「恵里 ちょっと。 柴田さん 少し待って下さい。」
柴田「はい。」
リビング
恵里「え?」
文也「俺が悪かったと思うんだ。 話したつもりなんだけどさ。 お互い勘違いしてたみたいで。」
恵里「そうなんだ。」
静子「同居は やめよう 恵里ちゃん。」
恵里「はあ。」
静子「あのね 結婚して 今まで 一緒に 暮らした事のなかった2人が 一緒に暮らす訳でしょう? それは 結構 大変な事だと思うのよ。 2人の関係っていうか 2人なりの 夫婦を ゼロから作る訳でしょう。」
恵里「はあ。」
静子「それも 出来てないうちから 私という まったく違う 人間が加わるのは 早いと思うの。 将来は別としね。」
恵里「はい。」
静子「文也だって そうだと思うわよ。」
文也「え?」
静子「文也は ずっと私と一緒で 1人暮らしなんか してないし それで結婚してまで 私と一緒に 暮らす事 ないと思う。 あなたの人生なんだから。」
文也「それは そうだけどさ。 お母さん寂しいかなと思って。」
静子「え? 私? 何 言ってんの? 第二の人生が 始まるのよ 私の。」
文也「何 それ?」
恵里「第二の人生?」
静子「これから楽しむの。 恋をしたりとかね。」
玄関
後輩「先輩!」
柴田「ん?」
リビング
静子「このマンション 1人で住んでるの もったいないから 改装して 文也の部屋で フラワーアレンジメント教室を 開こうかなと思って。 お母さん 資格 持ってるでしょ。」
文也「はあ…。」
静子「同居と言われても困ってしまう。」
恵里「はあ。」
静子「ごめんね 恵里ちゃんが嫌な訳では ないのよ。」
恵里「はい。」
文也「どうしようか? 恵里。」
恵里「どうしよう?」
一風館
管理人室
柴田「ただいま!」
みづえ「あら!」
島田「あ?」
恵里「すみません。」
文也「どうも…。」