連続テレビ小説「ちゅらさん」108話「家族の風(かじ)」ネタバレ

真理亜「私の お父さんと お母さん…。 父は バイオリニストで 母は ピアニストだった。 結構有名でさ。」

恵里「すごいですね。」

真理亜「『おしどり夫婦』といって 取材されたりしてさ。」

恵里「へえ。」

真理亜「でも 本当は 仲悪かった。」

恵里「え?」

真理亜「外で おしどり夫婦 演じて パーティーとか 演奏会には そろって出かけたりしてたけど 家では ひと言も口をきかない。 仲悪いっていうより 憎しみ合ってたね。 何があったかは 知らないけどさ。」

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容子「きょうだいは?」

真理亜「4歳下の妹の待子 ずっと2人。 小さい時からね。 父も母も 子供に興味ない人だったの。 家の中は いつも険悪な 嫌な雰囲気だった。 私と待子は 子供部屋に ずっと一緒にいた。」

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真理亜「妹は体も弱いし 気持も弱い子でね 学校でも いじめられた。 私にベッタリ。 家の中でも 私の姿が見えないと ベソかく子。 ず~っとね。 小さい頃から よく本を読んであげてたの。 そのうち 読む本もなくなってきて 私が空想の話を作って…。 それを あの子にしてやった。」

柴田「メルヘン…。」

真理亜「短大の時 書いた小説 認められて デビューする事になったの。 私 チャンスだと思った。 大嫌いな家を出る そして 妹からも解放される。 チャンスだと思った。 それで 家を出たの。 妹に『高校卒業したら 一緒に暮らそうね』って。」

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真理亜「それまで お金も貯めとくからと ウソ言ってさ。 それで 一風館に入った。 楽しかった… 何もかもがさ。 もう楽しくてさ… 家の事も 妹の事も 全然 忘れてた。 恋愛なんかもしちゃったりしてさ。 ある日 妹から 電話があったの。」

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真理亜「病院からね『入院した』って『来週 手術する』って。『お見舞いに行こうか』って 私 一応 言った。 でも 待子は『いい』って言ったのよ。『あっという間に終わるから』と。『お姉ちゃん忙しいから いい』と。 そう言ったのよ。 私 行かなかった。」

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真理亜「その日も つきあってた男と 遊んでた。 あの子 死んだ。 誰も 家族の来てない病院で 独りで死んだの。 死んだの…。 だからね 手術って 嫌なの。 言葉 聞くだけで嫌なの。」

恵里「真理亜さん。」

真理亜「ん?」

恵里「手術しましょう。」

真理亜「は?」

恵里「しましょう。 妹さんのためにも 命を大切にしなくては…。 妹さんが 守ってくれます きっと。 それに 真理亜さんは 独りではない。 こうやって 皆 いるでしょう!」

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真理亜「え?」

恵里「大丈夫ですよ!」

恵里「ね? 容子さん?」

容子「はい はい。」

真理亜「(笑い)痛い! 痛たたた…。」

恵里「何が おかしいんですか?」

真理亜「だってさ あんた… クサイよ。」

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恵里「え?」

真理亜「言うことが クサすぎるよ。 ハハハ…。 痛てて…。」

笑いだす容子

恵里「容子さん?」

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容子「ごめん! 恵里ちゃん 私も ちょっと そう思った。」

恵里「そうですか。」

容子「うん。」

一同笑いだす

恵里「そうですかね? やっぱり クサかったですかね? 私も言いながら『クサイかな?』と ちょっと 思ったんですけど。」

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そんな事が あったんだね。 真理亜さんは それから 黒い服を 着るようになったんだねぇ

恵達「だんだん 古波蔵家みたいに なってきたな。」

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古波蔵家

一同「何か言ったかね?」

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