北栄総合病院
ナースステーション
奈々子「婦長 上村さん どうしたんですか?」
秀美「今日ね 彼女 お休み。 子供 熱 出したって。」
祥子「え?!」
奈々子「大丈夫なのかな。」
秀美「何やってんの? 仕事 仕事 1人足りないんだから。」
奈々子「あ はい。」
今度の婦長さんは 不思議な人だね。 優しいのかね 怖いのかね。 おばぁも よく分からないね
祥子「あ!」
外科病棟
文也「遠山さんは 糖尿病も 甲状腺疾患もないから 大丈夫だ。」
看護婦「はい。」
祥子「上村先生!」
文也「どうしたの?」
祥子「あの 和也君が 熱出したそうで。」
文也「え?」
祥子「恵里は 今日 お休みなんです。 取り急ぎ ご報告まで。 では 失礼します。」
文也「ありがとう。 和也…。」
一風館
ダイニング
みづえ「あら こんなもの 売ってるの。 おいしそうね。」
真理亜「エヘヘ いや でも みづえさんの料理に比べたら…。」
みづえ「アハハ あら うれしいわ。」
真理亜「いや でも 大変だね。 母親になるっていうのは。 私には 想像できないなぁ。 自分の事で 精一杯だし。」
みづえ「誰だって そうなのよ。」
真理亜「ん?」
みづえ「母親っていうのはね なろうと 思って なれるもんじゃないの。 自然に そうなってしまうの。」
真理亜「『自然に』?」
みづえ「うん そうよ おなかを痛めた子を 目の前にしたら 誰でもそうなる。」
真理亜「そうかなぁ。」
みづえ「あなただって 子供 産んだら きっと そうなる。」
真理亜「え? 私が?」
みづえ「そうよ だって 人一倍 優しい子だもの あなたは。 アハハ…。」
恵達「おはようございます。」
みづえ「おはよう。」
真理亜「おはよう。 あら 珍しく 参加して ないじゃん。」
恵達「え?」
(電話の呼び鈴)
みづえ「あら? 恵里ちゃんかな?」
恵達「え?」
古波蔵家
勝子「管理人さんですか? 那覇の古波蔵です。 どうも…。 いつも お世話になっております。 恵里は おりますでしょうか? いや たった今 和也のビデオが届きまして まだ いるかなと思いまして。」
」
勝子「…あ? 病院? ああ もう 仕事 行きましたですか? え? 仕事じゃなくて? …え? 和也が 熱を出したんですか?え? え? それで? …はい はい …はい そうですか。」
一風館
みづえ「あら 私… 余計な事 言っちゃったかしらね。」
真理亜「さあ でも 大騒ぎになってることだけは 確かだと思う。」
恵達「そうですね。」
みづえ「あららら…。」