一風館
恵里「え~?! え…? お父さんが? …え? で 大丈夫なの? うん。 …え? うんうん。 え? え? で お父さんは?」
古波蔵家
勝子「今 病院に行ってるさ。 なんか『知らせるな』っていうけど それが『知らせてくれ』って 言ってるみたいだからさ。 だから 一応 知らせたから。 全然 大丈夫さ。 うん …はいはい。 はい じゃあね。 …はい。」
一風館
恵達「へえ そっか…。 でも よかったね 大したことなくてね。」
恵里「うん 怖いよね 車乗る仕事だから。」
恵達「であるね。 まさか 車とめて昼寝してて 追突されたんじゃ ないだろうね。」
恵里「交差点て 言ってたから 安里の。」
恵達「じゃ いくらなんでも 違うか。」
恵里「あ! …あれは 私 お父さんの ケガを感じたのかね?」
恵達「え?」
恵里「いや ちょうどさ その時ぐらいの時間なんだけどさs 私さ こう胸が差し込むように 痛くなってさ あれは 感じたのかね 私。」
恵達「え? 嫌だねえ もう…。 ウチナーの女は怖いさ もう やめてよ。」
恵里「ハハハハ。」
ゆがふ
静子「そう ビックリしたでしょう。」
恵里「はい 最初 事故って聞いた時は ドキッとしましたよ。」
静子「そうよねぇ。」
恵里「はい… 考えてしまいました。 もう 親の体のこととか 考えないと いけないのかなって。 もう 若くないのかなって…。」
静子「ああ…。」
恵里「え? どうかしました?」
静子「いや 間接的に 私も『若くない』と 言われてるような気がして。」
恵里「え? アハハハ…。」
静子「ま いいんだけど。 和也 おいしい?」
和也「うん おいしいさぁ。」
静子「そうさぁ。 あれ? う~ん 本当 おいしいですね これ…。」
兼城「ありがとうねぇ。」
静子「あ でも おばぁの これ おいしかったわよねぇ。」
恵里「はい…。」
兼城「え…。」
恵里「あ!」
兼城「ん?」
静子「あ ごめんなさい。 これが『おいしくない』と言ってないです。」
兼城「ハハハ いいさ いいさ おばぁにはかなわんから。 どうぞ これ。」
静子「ああ クーブイリチーだ! これ。 おばぁのこれ おいしかった。」
恵里「あ はい。」
静子「ああ…。」
兼城「ウ ウ ウ ウ~。」
静子「ああ ごめんなさい。 ハハハハ…。」
恵里「ハハハハ…。」
静子「うん… 沖縄かぁ。」
恵里「はい 行ってこようかなぁ。」
勝子「え? 行くの?」
恵里「はい ま 顔だけでも見せたいし 和也 連れていけば 喜ぶだろうし あんまり 会ってないですからね。」
静子「そうよね 会いたいだろうなぁ。」
恵里「はい。 和也 沖縄の海 行こうか?」
和也「行く!」
静子「あ いつ 行くの?」
恵里「今度の木金 連休なんですよ 私。 文也君は チョット 無理ですけど この子にも 沖縄の海 見せてあげたいなぁって思って。」
静子「そう 木金か…。」
恵里「はい。」
静子「ん?!」