古波蔵家
勝子「もしもし? お誕生日 おめでとうね。」
ハナ「おめでとうねぇ 恵理!」
恵尚 恵文「せ~の。 恵理 おめでとうねぇ!」
勝子「聞こえる?」
一風館
廊下
恵理「うん 聞こえるさ。 ありがとう…。 ありがとう お母さん…。」
古波蔵家
勝子「もしもし? もしもし 恵理? ああ もう いいから… 聞こえないでしょう。」
2人「はい すみません。」
勝子「もしもし? 恵理? どう? 和也は。 そう… そうか…。」
一風館
恵理「あ お母さん あのさ…。」
古波蔵家
勝子「何?」
一風館
恵理「あ… ううん 何でもない。 …うん 本当に ありがとう。 …うん 大丈夫。 …うん じゃあね。」
古波蔵家
勝子「(ため息)」
恵文「どうしたの?」
ハナ「恵理は 元気だったね?」
勝子「ええ まあ…。」
恵尚「どうしたの?」
勝子「なんか この変が ワサワサしますね。」
ハナ「そうだねぇ。」
恵文「そうなわけ?」
勝子「ああ でもさ。」
ハナ「何ね?」
勝子「恵理は 大人になったってこと?」
恵尚「ん?」
勝子「ちょっと前までは 何かあれば 電話してきたさ あの子は…。」
恵文「ああ そうだねぇ。」
勝子「最近 大人になってしまった…。 全然 相談してくれないさ。 前は ベソベソ泣いて 電話してきたのに。」
恵文「であるよね。」
ハナ「大人になったという事さ 恵理は。」
勝子「ですかねぇ つまらないですね。」
恵文「そうだねぇ。 でも 泣いて 電話してきた時は『いつまでも 子供で困る』って…。」
勝子「それは そうだけど…。」
恵文「分かってるけどさ。」
恵尚「ま 恵理も 29歳になったわけだし もう 大人にも なるでしょう。」
ハナ「お前は いくつに なったか?」
恵尚「おばぁ それは 言わないで。」