和也の木
恵理「さ そろそろ 港に行こうか?」
和也「お母さん? お母さん? お母さん…。 お母さん どうしたの? お母さん …お母さん! どうしたの? お母さん! お母さん!」
こはぐら壮
静子「どうしたの? おばぁ。」
ハナ「とっくに 着いてるころ 船は…。」
静子「そうね…。」
ハナ「恵理と和也は『迎えに行く』と 言ってたよね。」
静子「うん…。」
勝子「恵理? 恵理?! 和也?!」
恵文「どうも…。」
静子「どうも。」
ハナ「恵理と和也は?」
恵文「来ないさ いくら待っても 来ないし なんか 勝子が『胸がワサワサする』って言うから 走ってきたさぁ。」
静子「え?」
勝子「おかあさん?」
ハナ「大丈夫 大丈夫さ。」
恵文「恵理は どこ行ったの?」
静子「キジムナーの森へ行って それから 港へ行く』って 言ってましたけど…。」
恵文「チョット 見てこようね 俺はね。」
勝子「おかあさん?」
静子「おばぁ…。」
ハナ「大丈夫 大丈夫…。」
和也の木
和也「お母さん… お母さん…。 お母さん…。 お母さん 帰ろうよ。 お母さん…。」
ゆがふ
文也「なんだよ それ… なんなんだよ…。」
奈々子「あの子 何 考えてるのよ。」
遥「約束したの…『誰にも言わない』と『今は 自分の病気の事考えたくない』って…。『入院したり 手術したりして 和也君から 離れるわけには いかないから』って。 だから…。 医者として 間違ってるのは 分かってるけど 私… 約束したの。」