恵里「今のままの私では ダメな気がして 自分がもっと 何か…。 『私は こうなるんだよ』と 言えるようになってから会いたい。 だから 今すぐでなくても いいんです。」
容子「ふ~ん。」
恵里「ダメですか?」
容子「別にダメじゃないよ。 でも 私なら とにかく捜す。 で ハッキリさせる。 こうしてる間にも その彼に 誰か 好きな人が 出来ちゃうかも?」
恵里「え?」
容子「逃げてる気もするな。 結論を先延ばしにして。 そういうつもりではないと思うけど。」
柴田「お願い! 最初から分かるように 話してください。」
容子「何 言ってんの? きみは。」
柴田「あ すみません。」
兼城「バカみたい!」
沖縄
古波蔵家
恵文「恵里は どうしているかね? 一度 手紙 来て それから 全然。」
勝子「そうね。」
恵文「電話ぐらい かけてこないかね。」
勝子「そうね。」
恵文「聞いてるの? 勝子!」
勝子「ん? 何? ああ もう! 分からなくなったさ。」
恵文「ごめんなさい。 恵里がさ!」
勝子「恵里が何?」
恵文「電話くらいしてきてもいいねって。
勝子「電話なんて 引いてないはずよ。」
恵文「アパートに 公衆電話あるでしょう?」
勝子「でも ただじゃないですからね。」
恵文「心配で夜も眠れないさ 俺は。」
ハナ「グ~スカ 寝てるくせに。」
恵文「いや おばぁ…。」
ハナ「おまけに 車 止めて 昼寝ばかり。 知ってるんだからね。」
恵文「心配で眠れないというのは そういう意味ではなく…。」
勝子「また昼寝ばかり? 文ちゃん。」
恵文「今は そういう話でなくてさ。」
勝子「細かく全部 説明いたしましょうか?これ?」
恵文「いや 結構でございます。 だから そうじゃなくて 恵里はさ!」
ハナ「ん?」
勝子「何です?」
ハナ「鳴るよ。」
恵文「恵里かね?」
電話の呼び鈴が鳴る
恵達☎「もしもし 姉え姉え?」