月曜ドラマシリーズ 「ちゅらさん3」2話「親子(うやっくわ)の思(うむ)い」

辻内家
玄関前

恵理「こんにちは! 北栄総合病院の上村です! こんにちは! こんにちは…?」

ちゅらさんの画像

玄関

恵理「(ノック)こんにちは!」

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美帆子「愛子… どうして 分かってくれないの?」

リビング

愛子「やだ! ずっと 家に居る 学校なんて 行かない」

美帆子「愛子!」

愛子「だって 居たいんだもん お母さんと居たいんだもん どうして いけないの?」

美帆子「いけないの あなたは 小学生なんだよ 学校に行く義務があるの 学校に行って 勉強したり 友達つくったり 遊んだり それに 友達との事で 悩んだり 恋をしたり クラブ活動したり たくさん たくさん やることがあるの」

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愛子「いやだ」

美帆子「『いやだ』じゃない」

愛子「いやなの」

美帆子「お母さんの事 心配してくれるのは うれしいよ ありがとう でもね 愛子…」

愛子「いやだ!」

美帆子「お願い お母さんの お願い!」

愛子「いや!」

美帆子「愛子!」

愛子「お母さんのバカ!」

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玄関

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美帆子「恵理ちゃん…」

恵理「どうも」

美帆子「まいった…」

リビング

美帆子「よかったら お茶 どうぞ」

恵理「あ… ありがとうございます」

美帆子「それ 何?」

恵理「え? あ… あの~ これ いつか 話した 一風館に住んでる…」

美帆子「あぁ メルヘン作家さん?」

恵理「はい 真理亜さんって いうんですけど 書いた本… 愛子ちゃん 読むかなと思って…」

美帆子「ありがとう」

恵理「あ いえ」

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美帆子「あの子ね」

恵理「はい」

美帆子「私が そんなに長く生きられないの 分かってるの」

恵理「え?」

美帆子「分かってるの あの子 だから 私と 一緒に居たいのよね 一時も 私から 離れたくないのよね かわいそうに… 小さい時 パパに死なれて 今度は 私まで いなくなっちゃうなんて… かわいそう… 恵理ちゃん」

恵理「はい」

美帆子「なんで 人は 病気になるんだろうね」

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美帆子「間違ってると思うな 神様 私を思い病気にするなんんて… 間違ってると思うな あの子を独りにするなんて… 間違ってる 間違ってる ごめん 泣き言 言っちゃって 病気についての覚悟は もう 出来てるんだ」

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美帆子「治らないことも 分かったし だから 自宅に帰って 恵理ちゃんたちの 訪問看護を お願いしたの 愛子のためなのね 入院してると 病院にばっかり来て あの子… だから うちに戻ったら せめて 学校だけは ちゃんと 行ってくれるかなと思って… 子供らしい生活してほしくて… でも すぐ 戻ってきちゃうの 責められないの そんなに…」

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美帆子「でも このままじゃ 駄目 あの子 駄目になっちゃう」

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美帆子「私が いなくなって 独りになる その運命から 逃れられないのなら その後も ちゃんと生きていける子になってほしいの 私がいなくなった後も ちゃんと強く生きられる子になってほしい でも… どうしたら いいか わからないんだ わからない あ… ごめん 長話しちゃった」

恵理「いえ」

美帆子「仕事の邪魔だよね」

恵理「いえ 大丈夫です 大丈夫です あ じゃ 血圧から 測りましょうか?」

美帆子「はい」

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