連続テレビ小説「あまちゃん」105回「おら、地元に帰ろう!?」

純喫茶・アイドル

甲斐「いいの?」

アキ「もちろん! いっぺえ置いていぐがら 宣伝してけろ。」

甲斐「やった~。 熱いよね GMT。」

アキ「じゃ!」

甲斐「『じゃ!』って いいのかい?」

<大吉っつぁんが ママを追っかけて 東京さ来ました>

甲斐「微動だにしないね かれこれ 30分になるよ。 吐きそうだよ。」

アキ「な? あっ 動いた!」

大吉「あ~! 東京の空気が汚え! 見てみろ 鼻の中まで 排気ガスで真っ黒だ!」

安部「やめでよ 大吉っつぁん。」

大吉「モータリゼーションの弊害が ここにも!」

春子「だったら 来なきゃいいじゃん。」

黒川「春子さん。」

春子「何で来たのよ。」

大吉「北鉄で。」

安部「バカ。 北鉄じゃ 東京まで来れねえべ。」

大吉「北鉄で宮古まで行って 宮古から山田線で釜石行って…。」

春子「だから 一番 時間のかかるコースで わざわざ 何しに来たのっつってんの!」

大吉「会いに来たんだべ 春子に!」

黒川「『春子』?」

アキ「じゃ!」

甲斐「『じゃ!』って…。」

アキ「おらが いたら しゃべりづれえ事もあるべ。 ごゆっくり。」

春子「だから 説明したでしょ ちゃんと。 今は アキのそばに いたいの。」

回想

春子「あの子の事 応援してあげたいんだ。 自分が見れなかった景色 あの子に見せてあげたいんだ。」

回想終了

大吉「…分がんねえ。 アキちゃんは田舎が好きなはずだ。 北鉄の窓から見える 海や山 田んぼが好きなはずた!」

春子「その景色じゃないの! そういう意味じゃないの!」

大吉「春ちゃんだって そうだべ! 都会に 嫌気がさして 故郷さ帰ったのに なして また 都会さ戻る! 何が不満だ!」

春子「嫌で出てきたんじゃないの 今回は。 こっちで やり残した事がある事を 思い出したの! それをやるの アキと一緒に! やり遂げたら 帰るから。」

黒川「そうなの?」

春子「そのうちね。」

大吉「いつ帰ってくる!?」

春子「2~3日かもしんないし 2~3か月かもしんない。」

黒川「あれ この間 2~3年って言ったよね。」

大吉「2~3年!?」

春子「だから! もう…。 ちょっと 甲斐さん 甲斐さん 甲斐さん 助けてよ!」

甲斐「♬『暦の上ではディセンバー でも ハートは サバイバー』あっ 小野寺ちゃん 立ち位置 変わった。 変わったよね!?」

春子「知らないよ。 大体さ 関係ないじゃん! あんたと より戻すつもりないし 大吉さんのプロポーズ 受ける気もないからね 私は!」

黒川「プロポーズ!?」

安部「プロポーズ!?」

大吉「プロポーズ… したよ。 した した! してもいいじゃん! 幸せになってもいいじゃん! だって 俺たち バツイチ同士だぜ!? 足して 2だぜ!?」

黒川「その理屈だと 僕は 安部さんに プロポーズしてもいい事になりますが。」

安部「…やんだ。」

黒川「しませんよ! しませんけど!」

甲斐「やり残した事って 何だろうね。 ああ ごめんなさいね 聞こえちゃったもんだから。 春ちゃんが こっちで やり残した事って 何だろうなって。」

春子「それは…。 言わない。 やり遂げるまで言わない!」

<決して 言葉にしませんでしたが おらを デビューさせるまで ママは こっちに いるつもりみたいです。 それは うれしい反面 プレッシャーでもありました>

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