連続テレビ小説「あまちゃん」114回「おらのハート、再点火」

純喫茶・アイドル

よしえ「自信を なくしてしまったんです。 主人が倒れて 一時は意識もなくて。 呼びかけても 返事もないし。 万が一このまま 目を覚まさなかったら 残された私は どうなるんだろうって。」

春子「それで お財布だけ持って?」

回想

春子「足立さん!」

回想終了

よしえ「あの日のうちに バスで盛岡まで出ました。 最初は2~3日したら 帰りたくなると思ってたの。 だけど ドンドン遠くに来てしまって。 上野で一緒にいたのは 昔の上司です。 パート 紹介してもらって。」

春子「パートって?」

よしえ「臨時の 声の仕事です。 結婚式の司会とか ナレーションとか。」

(テレビ)

よしえ「あっ これもそうです。」

春子「嘘!」

テレビ・よしえ『太巻プロデュース! アメ女の妹分! 地元系アイドル GMT5! デビューシングル『地元に帰ろう』NOW ON SALE!』。

アキ「じぇじぇじぇ! じぇんじぇん気付かなかった!」

甲斐「こちらこそ じぇんじぇん 気付かなかなかったよ!」

よしえ「もちろん これじゃ 生活できないから コンビニで バイトしたり。 何か 久しぶりにというか ほぼ初めて 一人の人間として 世間と関われたような 気がしたんです。」

よしえ「足立 功の妻じゃない 自分を見つけたような。 それまでは 家族しか見てなかった。 いっつも 夫の顔色うかがいながら 子どもの反応を見ながら 肉だな 魚だな 野菜が 足りてないとか 自分じゃ 何も判断できない 状態だったんです。」

春子「今は?」

よしえ「今?」

春子「あれから 1年近くたって 自分を取り戻して 今は どういう心境?」

よしえ「…。」

春子「ごめん 言いにくいか?」

よしえ「いえ…。 本当に 自分勝手な話ですけど。」

春子「うん。」

よしえ「寂しいです。 家族に会いたいです。 主人と子どもたちに 会いたいです。 でも…。」

春子「無理でしょうね。 残酷なようだけど。 取り返しつかないと思う。 ほら あれだ。 あの あれだ あの…。 ほら アキがやってる あの 見つけて壊すやつ。」

アキ「逆回転?」

春子「『逆回転』そう! 逆回転できないもんね 人生は。 壊れたら壊れっ放し もう元には戻らない。 残念でした。 でも みんな 本当に 心配してるからさ。 無事でいる事だけは 知らせてあげよう? いいよね。」

よしえ「はい。」

(ドアベル)

北三陸駅

ヒロシ「あ! もしもし 今 外出た。 ごめん ごめん。 ユイと夏さんの送別会?」

大吉♬『(Ghostbusters)』

ヒロシ「あ カラオケ始まっちゃった。 で 何?」

純喫茶・アイドル

アキ「いい知らせと 悪い知らせ どっちが好きですか?」

北三陸駅

ヒロシ「アキちゃん 悪い知らせが 好きな人は いないよ。」

純喫茶・アイドル

アキ「ですよね。 じゃあ 悪い方から。 私 天野アキは 種市先輩と つぎあう事になりました。」

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