連続テレビ小説「あまちゃん」119回「おらのばっぱ、恋の珍道中」

鈴鹿「フフフッ。」

荒巻「…とはいえ 確実に コケるでしょう。」

鈴鹿「いつになく 弱気ね。」

荒巻「いえ むしろ 強気です。 引き際も 自分らしさを 貫き通したいだけですから。」

鈴鹿「あれ? 1 2 3 4 5 6… 10本あるわね。 この『潮騒のメモリー』って あの『潮騒のメモリー』じゃないわよね。」

荒巻「あの『潮騒のメモリー』です。」

鈴鹿「監督の 荒巻さんというのは?」

河島「荒巻さんです。」

鈴鹿「…じゃないわよね。」

荒巻「私です。」

鈴鹿「『(交渉中)』って…。」

荒巻 河島「交渉中です。」

鈴鹿「じぇじぇじぇ!」

<鈴鹿さんの口から 渾身の『じぇじぇじぇ』が 飛び出たところで お忘れの方のためにも 映画の概要を>

<『潮騒のメモリー』は 1986年に公開された 鈴鹿ひろ美のデビュー作です。 舞台は 宮城県沖に浮かぶ 架空の島 鈴鹿島。 貧しい漁村に生まれた 少女 ひろみと 漁師の新助 2人の若者の悲恋を描いた 名作です。 特に 語りぐさにもなった名場面>

鈴鹿「飛び越えてこい!」

「うう…。」

鈴鹿「新助 私が好きなら その蛇を飛び越えてこい!」

荒巻「蛇のシーンは カットします。」

鈴鹿「ああ そうね。 その方が いいわね。 …っていうか ねえ ホントに やんの?」

荒巻「権利は取れそうなんです。 あとは 主演女優次第です。」

鈴鹿「いや… 無理 無理 無理。 お断りします。」

河島「そこを なんとか!」

荒巻「鈴鹿さんのデビュー作であると同時に 私の原点でもあるんです。 お願いします。」

鈴鹿「できません。 そんな 17才の海女の役なんて…。 無理よね 隊長! 何よ…。 見えないでしょ 17歳には。 どんな技術を 駆使しても。」

荒巻「はい。 …っていうか 主演じゃねえっす。」

鈴鹿「え?」

荒巻「一番最初に申しましたが うちの所属タレントを主演に使った 純前たる アイドル映画だと。」

鈴鹿「あ… そうよね。 アハハハッ 分かってますよ! どうせ 母親役でしょ?」

荒巻「ずうずうしいな。」

河島「ずうずうしいですね。」

鈴鹿「うるさいな!」

梅頭「ずうずうしいですよ。」

荒巻「主演は 彼女を考えております。」

河島「おいで。 座って ご挨拶して。」

小野寺「はい。 失礼します。 以前 ここで お会いしました GMTの小野寺薫子 宮城県出身の16歳です。」

鈴鹿「あ~ なるほど。 宮城が舞台だもんね。」

小野寺「はい! 宮城と言えば?」

荒巻 河島♬『ずんだ ずんだー!』

鈴鹿「結構です。」

小野寺「おいしい お米と。」

鈴鹿「ずんだ…。 結構です。」

河島「リメークと申しましても そのまま やる訳では ございません。 設定だけ踏襲して ストーリーは大幅に…。」

鈴鹿「ラストシーンは?」

河島「はい?」

鈴鹿「エンディングですよ。 主題歌が流れるでしょう。 今回 誰が歌うんですか?」

河島「今回は?」

<そうです『潮騒のメモリー』のラストシーン 荒れ狂う海と 夕日を背に立つ 主人公 ひろみ。 そこで流れる主題歌は 涙なくして聴けません>

回想

ヘッドホン♬『砂に書いた』

アキ「(泣き声)」

ヘッドホン♬『アイ ミス ユー』

アキ「(泣き声)」

<それを歌っていたのは 誰あろう この人>

春子♬『北へ帰るの 誰にも会わずに 低気圧に乗って 北へ向かうわ』

回想終了

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