<海女のシーズンが終わって アキは 心に ぽっかりと 穴が開いたような気分でした>
天野家
アキ「ただいま~。」
夏「お帰り。」
アキ「(ため息)」
夏「潜りたいのに潜れず ただ暇を持て余し ふてくされる アキなのでした~。」
アキ「ふてくされでねえもん。」
夏「だったら 手伝え。」
アキ「あ~あ… 早く夏になんないかな。」
夏「バカ言え。 やっと落ち着いたばっかりだべ。」
アキ「3か月なんて短すぎるよ。 来年の海開きまで 9か月も みんなは どうしてんの?」
夏「パートさ出たり 内職したり 生活かかってっから みんな忙しいぐれえだ。」
アキ「ふ~ん…。」
夏「まあ そうは言っても 夏に比べたら やっぱ 張り合いねえな。」
夏 アキ「(ため息)」
<おらたちばかりじゃ ありません。 かつ枝や 弥生 美寿々も…>
漁協
長内「帰ったぞ~! おめえら 何してんのだ?」
勉「内職だ。」
花巻「おらが 勉さんさ頼んだんだ。 こいつら 毎日 ここさ集まって 何する訳でもねえ ボ~ッとして 愚痴こぼしてっからよ。」
長内「何 作ってんの?」
美寿々「ミサンガ。」
長内「ミ…? 何だ ミサンガって。」
かつ枝「分がんねえ。」
花巻「昔っから 海女っつうのは 夏の間だけ ビャ~ ビャ~ うるせえんだから。 せみか!」
長内「すげえな。」
観光協会
栗原「やだ~ 何これ。 壊れてる。」
菅原「えっ 何が?」
栗原「見で下さい これ。 カウンターが 一 十 百 千…。 100万だって。」
菅原「このパソコン バカになってるな。」
ヒロシ「壊れてないですよ。」
菅原「え?」
ヒロシ「この動画 今 すごい人気なんです。 もうちょっとで ユイにおいつくと 思います。」
菅原「またまた~!」
ヒロシ「あっ 追い越した。」
2人「じぇじぇじぇ。」
安部『取れたか!?』。
<ヒロシが撮影した 僅か数十秒の映像のおかげで ついに アキの人気が 爆発しました>
菅原「『アキちゃん かわいい』。」
ヒロシ「『感動した!』。」
栗原「『岩手!』。」
3人「『いってみよっと!』。」
菅原「来ればいいべな~。」