連続テレビ小説「花子とアン」第57回「乙女よ、大志を抱け!」【第10週】

あらすじ

福岡の炭鉱でガス爆発が起こった事を全く知らされていなかった蓮子(仲間由紀恵)の元へ、炭鉱夫たちがどなりこんで来た。ひるみながらもきぜんとした態度で対応する蓮子に、怒りの収まらない炭鉱夫たちがつかみかかろうとした時、伝助(吉田鋼太郎)が帰宅する。座敷で話し合うことになるが、蓮子は伝助に「女は邪魔だ」と言われ、入れてもらえない。蓮子が様子をうかがっていると、女中頭のタミ(筒井真理子)が思わぬ行動を…。

57ネタバレ

嘉納邸

廊下

黒沢「ここに 社長は いません。 お帰り下さい。」

<伝助の炭鉱で ガス爆発の事故が起こり 怒りを募らせた男たちが 乗り込んできました。>

蓮子「ごきげんよう。 私に 何かご用でしょうか?」

「貴様 白蓮とかいう名で くだらん本ば出しちょるらしいな。」

蓮子「くだらん本? 読んでから 批評なさって下さいね。」

「あの本に いくら金かけたんか。」

「お前だちが道楽できるとは わしらが命懸けで石炭ば掘りよる おかげやろうが! あ?」

黒沢「ご婦人に何をする!」

「貴様 何者か?」

黒沢「私は 新聞記者です。 このような無礼な振る舞い 記事にしますよ。」

「ああ 上等たい! ばってん 新聞に書くとなら わしらの怒りも全部書けよ!」

「お前だちのぜいたくのために 仲間が命落としたとたい!」

蓮子「心より お悔み申し上げます。」

「けがして もう働けんごと なったもんも大層おる!」

蓮子「それは… お気の毒に…。 私 お見舞いに伺います。 どちらの病院でしょうか?」

「見舞いやと? ふざくんな!」

「お前だちが 仲間ば殺したも同然やろうが!」

「責任ば取れ!」

「どこにおると 社長は!」

嘉納「やめんか! わしの留守中に 土足で 上がり込むとは 何たる無礼か!」

「お… 俺たちの話を 聞こうとせんとが悪いとたい!」

「誠意を見せろ!」

「そうじゃ!」

嘉納「分かった。 話は聞くき。 タミ 座敷の方に。」

タミ「はい。 こちらにどうぞ。」

嘉納「怖い思いさせて すまんやったな。 大丈夫か。」

蓮子「あなた。」

嘉納「仕事の場に おなごは邪魔やき。」

座敷

嘉納「わしも ガキの頃から 待っ暗い穴ん中 はいつくばって 石炭掘りよった。 そやき お前らの苦労も 仲間を思う気持ちも 誰よりも分かっちょるつもりたい。」

タミ「皆さんが来るち 分かっちょったら いろいろと 用意しちょったばってん こげなもんしか 用意できんとですけど こらえちゃんなっせ。」

嘉納「近いうち 必ず話し合いの場を持つき そん時までに そちらの要望を まとめちょってくれんね。」

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