連続テレビ小説「あまちゃん」3回「おら、この海が好きだ!」

パチンコ屋

「天野春子? 袖の春子だべ。 俺 俺! 北三陸高校で…。」

春子「ごめんなさい。 今 出てるんで。」

春子「これ まだ出るから 打っていいよ。」

ヒロシ「えっ? いや でも…。」

春子「いいから いいから。 玉も全部あげるから。」

夏「アキ 帰るぞ!」

アキ「…。」

夏「何だ? おまはん 母ちゃんに置いていかれて 悲しいのが?」

アキ「ねえ おばあちゃんは 何で潜るの?」

夏「はっ? なんで? 哲学か… 何でって… おもしれえからだべな。」

アキ「潜ってる時は 海の中で 何 考えてるの?」

夏「何も考えてねえ。 ほかの事 考えてたら 潮に流されちまうべ。」

アキ「ふ~ん 怖いね…。」

夏「食うために ただ ひたすら潜って 取るだけだ。 そのうちよ ウニが お金に見えてきてよ『お金が こんなに落ちてる! 拾わねば~! ほかの誰かに 拾われてなるものか!』ってなあ。」

アキ「フフフフッ!」

夏「潜りてえか?」

アキ「えっ?」

夏「潜ってみっか 一緒に。」

アキ「無理 無理 無理!」

夏「なして? おもしれえど。」

春子「アキ…。」

アキ「だって 冷たいんでしょ? 泳ぐの苦手だし…。 息継ぎが できないの。 素潜りも駄目。」

夏「自分で取った ウニ 食ってみたぐねえか?」

頷くアキ

アキ「ねえ おばあちゃん 海の中 きれい?」

<『何すんだ この ばばあ!』 アキは 空中で そう思いました>

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