学校
磯野「はい 終了~! 鉛筆置け。 どんだ 天野 自信あっか?」
アキ「え~っと… 頑張りました!」
磯野「お~ どれどれ…。 え~ はい 駄目。 駄目。 駄目 駄目。 駄目 駄目。 駄目。 駄目…。 だ~ だ…。 3点!」
アキ「じぇ! じゃじゃじゃ。」
磯野「でも 頑張ってる おめえが大好きだ。 でも 3点だ。 お疲れ。 はい 次 いっちゃん。 いっちゃん はい いきま~す。 はい 正解! あ~ すごいね!」
スナック・梨明日
アキ「あ~ もう また終電乗れなかった。」
春子「お帰り~。」
ヒロシ「いつだっけ? 資格試験。」
アキ「1月です。」
水口「資格試験?」
春子「潜水士の資格を取るんです。 …っていうかさ 誰よ?」
美寿々「あっ 水口君 初めて?」
春子「うん。」
美寿々「勉さんのお弟子さん。」
春子「怪しい…。 だって 勉さんの弟子でしょ? ありえない。 バカじゃあるまいし。」
ヒロシ「バカは言い過ぎですよ。」
春子「だって 勉さんから学ぶ事なんて ある?」
菅原「いや あるでしょ。」
春子「何?」
菅原「何かは 今すぐ スッとは出ないですけど。」
吉田「少なくとも 反面教師になるべ。」
勉「ほら 名刺 名刺。」
水口「ああ…。 水口琢磨です。」
春子「ああ すいません。 …ミズタク。」
(笑い声)
大吉「水炊きみてえだな! ミズタク!」
(笑い声)
水口「そんなに面白いですか?」
吉田「そんなに面白くねえよ。」
菅原「分析しないでよ ここ スナックだもの。」
美寿々「ねえねえ ミズタクは独身?」
水口「あっ はい。」
美寿々「彼女は? クリスマスの予定は?」
春子「美寿々さん あんまり がっついちゃ駄目。」
美寿々「がっつかないと 飢え死にしちゃうわよ。」
水口「ごめんなさい。 僕 年上じゃないと駄目なんです。」
一同「お~!」
美寿々「年下に見える?」
アキ「もう うるせえ! 大の大人が 何やってんだ! 騒いで。」
菅原「いや 大目に見でよ。 だてt ここ スナックだもの。」
吉田「スナックで受験勉強してる方が どうかしてっぺ?」
水口「ねえねえ。 アキちゃんはさ 資格を取って 将来どうなりたいの?」
アキ「分がんねえ。」
水口「分がんねえ?」
アキ「年中 海さ潜りでえがら 資格取るだけだ。」
水口「でも 君 ネットで すごい人気だよね。 テレビも出たんでしょ? すごいよね 普通に かわいいし。」
美寿々「この野郎 年下は駄目だって言ったくせに。」
水口「でもさ まだ17歳だろ。 まだまだ知らない世界が ある訳じゃんか。 君自身 無限の可能性を 秘めてる訳じゃんか。」
アキ「何だ こいつ。」
水口「…こいつ?」
アキ「言ってる事 さっぱり分がんね。」
菅原「さては マルチ商法の勧誘か?」
水口「いやいや そういうんじゃなくて。」
ヒロシ「その辺にしときましょうか!」
水口「え?」
ヒロシ「彼女のマネージャーです。」
水口「マネージャー。」
ヒロシ「観光協会のウェブ担当で 足立と申します。 彼女や 足立ユイに関する 問い合わせの窓口は 僕ですので。」
菅原「親から預かった 大事な娘さんだからな。 ガードせねばな。」
水口「いや~ 僕は ただ 普通に かわいいのに もったいないなあと思って…。」
春子「ちょっと 普通に かわいいって 何よ? 普通に かわいいって言われて 喜ぶ親が いると思う? 親はね 異常に かわいいと思ってんのよ。」
勉「水口君 手が止まってる。」
水口「ああ すいません。」
大吉「さすが 師匠。」
勉「ちゃんと 五感を研ぎ澄まし 琥珀から いにしえの 地球の変還を感じ 8,500万年の歴史をかみしめながら 磨くんだ。 酒飲んで くっちゃべりながら 磨くもんじゃねえ。」
菅原「酒飲んで くっちゃべるとこだよ。 ここ スナックだもの。」
(笑い声)
水口「すいません…。」
吉田「何で捨てた?」
水口「虫が入ってたんで。」
勉「じぇ~!」
美寿々「何 何!? どうした!? 勉さん!」
菅原「何? 琥珀に虫が入ってたのか?」
水口「ええ アリみたいなのが。 だから 捨てました。」
菅原「アリ入ってるのは 琥珀 高く値がつくって 聞いた事あるな。」
<そもそも 琥珀とは 簡単に言うと 樹液が 長い年月かけて 固まって出来た 結晶です。 つまり 琥珀の仲に入ってる虫は 8,500万年前の虫という事になり 要するに とても貴重なのです>