北三陸駅
大吉「バカ バカ バカ!」
春子「フフフ!」
大吉「バカ!」
春子「もういいよ。 大吉さん。」
大吉「バカこの! バカこの!」
春子「フフフ! あ~!」
北鉄
(警笛)
アキ「え? ユイちゃん?」
アキ「何で?」
ユイ「ごめん 行けなくなった。 でも すぐ追っかけるから。 先 行ってて。」
ヒロシ「親父が倒れたんだ。」
回想
(物音)
ユイ「お父さん? お父さん? お父さん お父さん! お父さん?」
回想終了
ヒロシ「お医者さんは じきに 意識は 取り戻すだろうけど 大きな病院に 転院するかもって。」
ユイ「ごめんね アキちゃん。」
アキ「いや うん そしたら おらも 行ぐのやめるか。」
ユイ「駄目! それは駄目! アキちゃんは 行って。 大丈夫 すぐ よくなるから。 必ず すぐ行くから ね!」
ヒロシ「ユイ!」
吉田「ユイちゃん 出発すっど。 お~い 発車すっど!」
アキ「これ!」
ユイ「すぐ行くからね! すぐ行くからね! すぐ行くから 待っててね! アキちゃん ごめんね!」
吉田「危ねえ! 危ねえど!」
ユイ「待っててね! アキちゃん!(泣き声)」
(警笛)
ユイ「(泣き声)」