アキ「ママ!」
春子「うん?」
アキ「私変わった?」
春子「え?」
アキ「1年前と 随分変わった?」
大吉「出発進行!」
春子「変わってないよ アキは。」
アキ「ママ。」
春子「昔も今も 地味で暗くて 向上心も 協調性も存在感も 個性も華もない パッとしない子だけど だけど みんなに好かれたね! こっちに来て みんなに好かれた。 あんたじゃなくて みんなが 変わったんだよ! 自信持ちなさい それはね 案外すごい事なんだからね!」
アキ「うん!」
春子「行ってらっしゃい!」
アキ「行ってきます! 行ってきます!」
春子「行ってらっしゃい!」
アキ「行ってきます!」
大吉「行ってらっしゃい!」
アキ「行ってきます!」
春子「頑張れアキ!」
大吉「アキちゃん!」
春子「頑張れアキ! 行ってらっしゃい!」
アキ「行ってきます!」
大吉「行ってらっしゃい!」
春子「(ため息)」
喫茶・リアス
春子「(ため息)」
弥生「あ~あ! 行っちまったな!」
今野「さあ これからが 正念場だな 観光課長。」
菅原「張り合いが なくなってまったな。 ミス北鉄の 2代目でも探すか?」
春子「フフフ! でも あの子たちは幸せよ みんなに祝福されてさ。 私なんか 誰も見送りなんか 来なかったもんね。」
大吉「嘘(うそ) 嘘 すごい人出だったべ 日の丸の旗振って。」
春子「いやいや それは 北鉄を見に来た 人たちでしょ? うちなんか 母親も来なかったんだから。」
勉「春子さん。」
春子「うん?」
弥生「浜で ワカメ取ってたんだよな 夏ばっぱらしいべ。」
勉「…。」
春子「何? 勉さん。」
勉「お母さん いたんだよ。 あの日。」
春子「え?」
勉「夏さん ちゃんと 見送りしてたんだ。」
大吉 菅原「じぇじぇ!」
弥生「いやいや そんな訳ねえべ! おら ホームさ いたけど 見かけなかったど!」
勉「ホームじゃなくて 浜で。」