ヒロシ「危なかったんだぞ。 もし ユイがリビングに 下りてこなかったら 今頃…。」
功「まっ もう大丈夫。」
春子「あ~ よかった。」
功「まあ とにかく皆さんね 健康には くれぐれも気を付けて え~…。」
吉田「乾杯!」
一同「乾杯!」
(笑い声)
海女カフェ
ユイ「家 帰ってないの 最近。 友達んちとか泊まり歩いてるから。」
アキ「じゃあ 来れば? 東京おいでよ。 みんな待ってるよ。」
ユイ「『みんな』って誰?」
アキ「水口さんとか太巻さんとか あと メンバーも会いでえって!」
ユイ「フフッ… めんばー。」
アキ「沖縄の子は 駅で会ったべ? あと 宮城の子も…。」
ユイ「もういいわ! もういい やめた。 行かない やりたくない。」
アキ「え?」
ユイ「もう アイドルとか どうでもいい。 関わりたくない。」
アキ「大丈夫だよ。 みんな 性格いい子だし ユイちゃんの事 センターに ふさわしいって言ってるよ。」
ユイ「諦めた訳じゃなくて 冷めたの 完全に。 だって ダサいじゃん。」
アキ「ダサい?」
ユイ「ダサいよ あんなの。 オタク相手に 生足出して 媚(こび)売って 真ん中に立って それが何なの?『暦の上ではディセンバー』? だから 何?『絶滅危惧種 下町アイドル』? 知らねえよ。 その下でしょ? 要するに。」
ユイ「ダサいアメ女の ダサい妹分が GMTな訳でしょ。 ウケる。 今となっては あんなものに 夢中になってた自分が 恥ずかしいっていうか もう 汚点だよね。 昔の自分を知ってる人に会うのが 本当に嫌。 ミス北鉄とか ホント無理。 勘弁してほしい。」
アキ「そりゃ ねえべ。」
ユイ「せいぜい頑張ってよ。 応援してますんで。」
アキ「そりゃ ねえべよ ユイちゃん あんまりだ! ずっと待ってたんだぞ ユイちゃんの事。 必ず行ぐって すぐ行ぐって言うから 待ってたんだぞ!」
回想
ユイ「アキちゃんは行って! 大丈夫。 すぐ よくなるから。 必ず すぐ行くから。 ねっ?」
アキ「これ!」
ユイ「すぐ行くからね!」
回想終了
アキ「その言葉だけを ずっと信じてたんだぞ。 それなのに何だよ! 冷めたって やめたって。 おら 何のために 東京で 奈落で 風呂もねえ合宿所で…。」
ユイ「知らねえし。」
アキ「ダサい? そんなの知ってるよ! やる前から ダサいと思ってた! ユイちゃんが アイドルになるって 言いだした時から!」
回想
ユイ「東京行って アイドルになるの。」
回想終了
アキ「ダサいから 聞こえねえふりしたんだぞ。 そしたら ユイちゃん もう一回 言ったんだぞ!」
回想
ユイ「アイドルになりた~い!」
回想終了