連続テレビ小説「あまちゃん」91回「おらのママに歴史あり 2」

春子「だから『中に 入って お茶でも どうぞ』って言って。」

功「そうか そうだったのか…。 バカだなあ…。 何もできなくても 全然いいのに バカだよ!」

ヒロシ「心配すんなよ 親父(おやじ)。 そのうち フラッと帰ってくるよ。」

春子「ねっ?」

功「ハハハハッ。」

海女カフェ

ユイ「退院したからって 安心できないの。 再発のおそれもあるし。 母さんも いないし 兄貴一人に任せる訳には いかないでしょ。 分かる? アキちゃんみたいに 気楽な身分じゃないの。 代わってほしいのは こっちだよ。」

回想

回想終了

アキ「お母さん 帰ってこないよ。」

ユイ「え?」

アキ「ごめん。」

ユイ「帰ってくるよ 必ず。」

アキ「ごめん。 だけど おらだって… おらだって 必死に ふんばって はい上がろうとしてんだ。 気楽な身分だなんて 言われだぐねえ!」

ユイ「40位の繰り上げ当選のくせに 自慢しないで!」

アキ「自慢じゃねえ! それが おらの現実だ! ダサいなんて そんなの 自分が 一番分がってる。 どんだけ不幸か知らねえが ここで過ごした思い出まで 否定されたら おら やってらんねえ!」

スナック・梨明日

磯野「結局 おらたちは どうしたいんでしょうかね。」

吉田「どうした? いっそん。 切ねえ顔して。」

磯野「ユイちゃんを おらたちは どうしたいんでしょうね。」

大吉「おい 変な事 言ったら ぶっ飛ばすぞ!」

磯野「だって 東京さ行ぐって言ったら 切なくなるし 行けなくなっても切なくなるし! なんとかしてあげたいけど おらたちには どうしてあげる事もできねえや。 ただ ここで 切なくなってるだけなんですよね。」

勉「分がる。 この距離は 永遠に縮まらねえんだ。」

磯野「おらたちにとって ユイちゃんって 結局 何なんでしょうね。」

大吉「アイドルだべ。」

吉田「んだ。 アイドルに決まってるっぺ?」

今野「ふ~ん アイドルか?」

磯野「アイドルなんでしょうね。」

北三陸駅

(足音)

春子「あっ ユイちゃん? 今 お父さん タクシー乗って帰ったよ。」

ユイ「…。」

春子「どうした? ユイちゃん。 中 入れば?」

ユイ「アキちゃんを傷つけちゃった…。」

春子「うん?」

ユイ「私 アキちゃん 傷つけちゃった…。」

春子「どうした? 大丈夫 大丈夫。 どうした? どうした?」

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