古山家
玄関の方から物音がして向かう裕一
裕一「音? あっ… 音? 音…?」
裕一「た… 大将。」
鉄男「おう。」
カフェー パピヨン
音「私 感情が すぐ 表に出てしまうんですよね。 もっと大人の対応をしなくちゃって 思うんですけど。」
希穂子「でも それが 音江さんのチャームポイントかもね。」
音「希穂子さんは すごいな。 私のないもん 全部持ってる。 フフフ。」
希穂子「欠点だらけよ 私なんて。」
音「私が男だったら 希穂子さんみたいな人を 好きになりますね フフッ。」
希穂子「光栄。 はい。」
音「ありがとうございます。」
音「実は 私 恋愛の機微が勉強したくて 入店したんです。」
希穂子「恋愛の機微?」
音「はい。 希穂子さんは お客さんを 好きになったこと ありますか?」
希穂子「う~ん… ここではないかな。」
音「ほかでは あるんですか?」
希穂子「さあ? どうだったかしら。」
そこへママが入ってくる
ママ「音江ちゃん。」
音「はい。」
ママ「指名。」
音「はい。」
ママ「希穂子ちゃんも ついてあげて。」
希穂子「はい。」
ママ「今度は ちゃんとやってよ。」
音「はい。」
音「ありがとうございます。」
音「お待たせしました~。 鉄男さん!」
鉄男「お~ 本当に女給さんになってる。」
音「どうして? いつから東京に?」
鉄男「さっき 着いたとこ。 休暇の間 泊めてもらおうと思って 裕一のとこ行ったら」
鉄男「音さんのこと あんまりにも心配してるもんだから 代わりに様子見に来た。」
音「なら 一緒に来ればいいのに。」
鉄男「そうもいかねえだろ 男としては。」
音「フフフ…。」
鉄男「ありがとう。」
希穂子「いらっしゃいませ。」
鉄男「希穂子…。 どして ここに? ずっと捜してたんだ。 何で 急にいなくなった? 希穂子… ちゃんと説明してくれ。」
希穂子「お話しすることはありません。」
鉄男「お… おい… ちょっと待てよ。」
希穂子「やめて下さい!」
鉄男「出よう… ここじゃ 話できねえ。 なっ?」
希穂子「やめて!」
音「鉄男さん 乱暴はやめて。」
ボーイ「おい 何やってんだ!」
鉄男「大丈夫だから… いや あの 少し 話しするだけですから。」
希穂子「離して!」
古山家
裕一「ねえ 何が どうなってんの?」
音「私にも よく分からんくて。」
鉄男「どして 急に 姿 消したんだ?」
希穂子「田舎にいるのが嫌になったからです。」
鉄男「うそだ。 君は福島が好きだと言ってた。」
希穂子「村野さん ご結婚されるそうですね。」
裕一「け… 結婚?」
希穂子「おめでとうございます。」
鉄男「結婚なんかしねえ! あれは向こうが勝手に…。」
希穂子「ご挨拶もなしに上京してしまったことは おわびします。 でも… 私から お話しすることはありませんので。」
鉄男「こっちの話は まだ終わってねえ!」
裕一「ちょ… 大将 大将…。」
希穂子「お騒がせして申し訳ありません。 失礼します。」
鉄男「希穂子 希穂子!」
裕一「ちょちょ… 大将 大将 大将…。 大将… 1回 1回 落ち着いて。」
鉄男「はあ…。」
希穂子を追いかける音
音「希穂子さん! コーヒー 飲みませんか?」ナンパ?w