連続テレビ小説「エール」68話「弟子がやって来た!」ネタバレ

台所

五郎「あっ… すいません。」

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梅「お湯 沸かそうと思って。」

五郎「手拭い… 手拭…。」

梅「そこ そこ。」

五郎「あっ。 失礼しました。」

梅「あっ あっ… あの… 下駄 ありがとう。 直しといてくれたでしょう。」

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五郎「ああいうの 得意なんで。」

裕一の仕事場

ノックする梅

五郎「はい どうぞ。」

梅「お茶 よかったら。」

五郎「あっ すいません。 ありがとうございます。」

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梅「あの… もし ご迷惑じゃなかったら 鉛筆 削ってもらえませんか?」

鉛筆を削る五郎

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梅「作曲しとったの?」

五郎「はい。」

梅「何か悩んどるの?」

五郎「実は… 全然書けなくて。 先生に申し訳ないです。 いっつも よくして下さってんのに。」

梅「本当に 裕一さんのこと 尊敬しとるんだね。」

五郎「尊敬しても し足りません。 売れる音楽を作り続けることが どんなに大変なことか…。 そんで あったかい家族もいて。 先生は 僕の憧れです。」

鉛筆を渡す五郎

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五郎「梅さんは 憧れの作家さん いるんですか?」

梅「昔は… あの子を追い越すことが 目標だった。 受賞式にいた 幸 文子って作家。 彼女 16歳であの賞を取ったの。 小学校の頃の同級生なんだ。」

五郎「えっ…。」

梅「先越された時は悔しかった。 自分の力のなさに気落ちして 書くのやめようと思った。 でもね 好きな文学だけには まっすぐ向き合おうと思った。」

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梅「そこからは ただ がむしゃらに書き続けてきた。 私は ほかに何も取り柄ないし 人づきあいも苦手で無愛想だし つまらん人間なの。 だから もう… 文学だけいいやって。」

五郎「本当に そう思ってるんですか?」

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梅「えっ?」

五郎「一生 文学だけでいいって。」

無言で去る梅

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五郎「梅さん…。」

朝の台所

音「はい お願いします。」

五郎「はい。」

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五郎「お… おはようございます。」

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梅「今日 私 朝ごはん要らない。」

音「どうしたの? 具合悪いの?」

梅「別に。」

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