連続テレビ小説「カーネーション」第50回「いつも想う」【第9週】

あらすじ

糸子(尾野真千子)が臨月を過ごすことになった松坂家では、家業の紡績工場が軍需品を作らざるを得なくなり清三郎(宝田明)や貞子(十朱幸代)が苦慮していた。店が気になる糸子は、こっそり抜け出して様子を見に行くが、電車の中で陣痛が始まってしまう。道中出会った木之元(甲本雅裕)に助けられ自宅に担ぎ込まれるが、難産で苦しむ。勝(駿河太郎)、善作(小林薫)、千代(麻生祐未)らが心配する中、次女の直子が誕生する。

50ネタバレ

松坂家

リビング

(ラジオの戦局のニュース)

ラジオ♬『勝って来るぞと勇ましく ちかって故郷を出たからは 手柄たてずに』

(スイッチを切る音)

(せみの鳴き声)

♬~(レコード)

(ため息)

糸子「暇や。」

正一「そやけど お母さん もう これは 時間の問題です。 近いうちに 紡績は みんな 軍需品を作る工場になるか それが嫌やったら 合併か どっちかを選ばな あかんようになる。 お母さんが 何ぼ むくれても もう どないにも避けられん事に。」

貞子「むくれてない! 分かったわ 私でも…。 子供みたいな言い方せんといて!」

正一「やっぱり これまで うちが 必死で守ってきた この松坂紡績ゆう名は なんぼ お国のためやゆうたかて そんな簡単に やすやすと 捨てられるもんと違う。 どないかして…。」

絹江「パパ。」

(ため息)

正一「軍の衣料品作る工場としてでも 生き残りさえしたら 機械かて ある程度は 残せる。 そしたら 戦争が終わった時 早い時期に また生産 再開できる可能性かて あります。」

清三郎「うん! まあ それが現実的やな。 うん。」

正一「はい。」

清三郎「なあ 正一。 松坂紡績は もう お前のもんや。 お前の思うように やったらええ。 うん。」

正一「ありがとう。」

貞子「私は 嫌や。 何でや? 何で 松坂紡績が 軍服なんか作らな あかんのや? そんな事したら おじい様 お父様の申し訳が立てへん。『しょうもない事しよって』言うて お墓の中で お泣きになるわ。」

清三郎「なあ 貞子。 ええか? これが 時局ちゅうもんや。 うん。 そら お父様も お分かり下さる。」

貞子「あなたは 養子やから そんな簡単な事 言えるんです。」

(泣き声)

清三郎「貞子!」

正一「お母さん!」

(泣き声)

貞子「軍服なんか 嫌いや! あんなカメムシみたいな 不っ細工なもん うちの会社は 死んでも作りません!」

(泣き声)

廊下

<おばあちゃんらの無念さは うちには痛いほど分かりました ちっこいうちとて いつまでも 安穏としてられる訳やない 店の事が気になって しゃありませんでした>

糸子「よう探してみ! 絶対 2反あるはずやて。 もう ちゃんと全部 隠しといてや。 ああ ほなな。 もう 頼んないな。」

糸子「あれ? どこ行くん?」

貞子「あ 今から みんなで 会社 行ってくるからな。 何かあったら 女中らに言うたらええから。 な!」

糸子「分かった。 行ってらっしゃい!」

貞子「行ってきます。」

糸子「行ってらっしゃい! 行ってらっしゃい。」

清三郎「はい 行ってきます。 気ぃ付けや。」

糸子「うん。 行ってらっしゃい!」

清三郎「はい。」

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