古山家
五郎という よき理解者を得て 梅の執筆活動は順調に進みました。
そして 5日後 五郎と梅は 豊橋に旅立ちました。
裕一の仕事場
音「なんか… 静かだね。」
裕一「うん… ねっ。 五郎君が置いてった。」
音「ふ~ん。 いい曲だね。」
裕一「うん。 よ~く書けてるよ。 誰のまねでもない。」
音「才能って何だろうね~?」
裕一「ね~。 あっ… お母さんに言ってるんだよね?」
音「うん。 手紙書いた。」
裕一「よかった。」
関内家
配達が遅れて 音の手紙は まだ届いていませんでした。
岩城「本当に梅さんまで 東京に やっちゃってもいいですか?」
光子「ええ。 やっと夢がかなったんですもの。 応援するのが親の役目でしょう。」
「郵便で~す」
光子「は~い!」
玄関
光子「ご苦労様です。」
「どうも~。」
光子「音から?」
音「『前略 突然ですが お母さんに 報告しなければならないことがあります』。」
光子「梅が帰ってくる!」
岩城「えっ!?」
梅「ただいま。」
光子「えっ?」
五郎「失礼します! 初めまして 婚約者の田ノ上五郎です!」
岩城「男連れですかん…。」
光子「さあ どうぞ 上がって。」
五郎「失礼します。」
こうして 関内家の新しい生活が始まりました。
光子「荷物全部… ねえ もう…。」
梅の2作目は無事に出版され 全国に販売されました。
関内馬具
岩城「もういっぺん。」
五郎「はい!」
岩城「そいじゃ いかん。 削った面が波打っちゃっとるだら。 おんなじ角度と厚さで 削れるようにならんといかんわ。」
五郎「すいません。」
まさか このあと 五郎が1人前と認められるまで う~ん年かかるとは 誰も思っていませんでした。
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