連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第46話「父の上京」

こみち書房

戌井「何で 僕まで…。」

キヨ「1人より2人の方が 心強いだろう! フフフフフ!」

戌井「参ったなあ…。」

茂「もう 観念するんですな。」

美智子「甘酒 どうぞ!」

戌井「あ いただきます。」

美智子「お客さんにも振る舞おうと思って。」

茂「ああ そりゃ ええ 客寄せになります。」

戌井「あ~…。」

徳子「角の荒物屋さん 親子で来てくれるって!」

美智子「あら うれしい!」

徳子「これ どこ置く?」

美智子「そっち。」

和枝「湯飲み 足りそう?」

美智子「うん お願い。 ありがとねえ…。」

戌井「お父さんは どうしました?」

茂「ああ 女房が連れてくる事に なっとるんですが…。」

戌井「ああ…。」

茂「客 集まるかなあ?」

戌井「ですねえ…。」

政志「随分 ベタベタ 貼ったなあ。 これで花輪がありゃ パチンコ屋の新装開店だな。 あんたが 水木さん?」

茂「…ええ。」

政志「気の毒なこった。 こんなとこまで 引っ張りだされて。」

茂「はあ…。」

政志「私 美智子の亭主です。」

茂「ああ あ~ こりゃ どうも。」

戌井「お世話になってます。」

政志「ふ~ん。 私は 漫画なんかに興味ないけどね あんたが 前に描いた 戦争の やつ 読んだよ。」

茂「はあ。」

政志「あんたも 戦争で むごい目に遭った口かい?」

美智子「色紙 足りるかしら?」

徳子「じゃ 向こうの文房具屋 行ってくるわ。」

和枝「じゃ 質屋さん 声かけといて。」

美智子「あら お帰りなさい。」

政志「やかましいなあ。」

キヨ「皆さん 手伝ってくれてんだよ! あんたも 手を貸したら どうなのさ。」

政志「うるさくて昼寝もできねえや。 はい ごめんよ ごめんよ! はいよ!」

水木家

玄関前

布美枝「はあ…。」

源兵衛「布美枝!」

布美枝「あ お父さん。」

源兵衛「おう どげした 出かけるのか? 村井さんは?」

布美枝「実は 今日 これが…!」

源兵衛「読者の集い…?」

こみち書房

茂「はい。」

母親「ほら ありがとうは?」

子供「この絵 かわいくな~い。」

(母親と戌井の笑い声)

戌井「いずれ分かるからねえ。」

靖代「ああ 来ないねえ!」

徳子「20分経つのに まだ5人?」

和枝「ご町内 回って 人 集めてこようか?」

靖代「腕ずくでも 連れてくるか!」

キヨ「そうしとくれよ。 サクラでも何でも いいんだよ。 誰かが並んでりゃ 人が集まってくるんだからさ。」

靖代「どうする 美智子さん?」

美智子「そうねえ…。」

床屋

源兵衛「ほう。 がいに宣伝しちょるなあ。」

布美枝「お世話になっとる 貸本屋さんが 力を入れてくれとるんだわ。」

源兵衛「そげか。」

布美枝「うん!」

源兵衛「ああ…。」

布美枝「お客さん 来とりますように…!」

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