連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第46話「父の上京」

こみち書房

靖代 徳子 和枝「読者の集い?!」

美智子「うん。 土曜日の午後。」

靖代「あら えらい急だわね。」

徳子「『調布の星 水木しげる先生 ご来店』?」

和枝「吉田 茂ならともかく 水木しげるで人が集まんの?」

美智子「そんな事 言わないでよ。 布美枝ちゃんの お父さんも 見にいらっしゃるんだから。」

靖代「田舎から出てくるんだ。」

美智子「そうなのよ。 だから 人が集まらないと困るの。 いいとこ見せないと 布美枝ちゃん 立場がないじゃない。」

キヨ「あんた達さ ご町内の拡声器なんだから こんな時こそ役に立っとくれよ。」

和枝「拡声器って…。」

3人「ねえ~!」

布美枝「チラシ 出来ました!」

美智子「あら もう出来たの?」

布美枝「皆さん お世話になります。 宣伝 よろしく お願いします!」

3人「うん 任せなさい!」

キヨ「よいしょ!」

床屋

徳子「あっ 奥さん 奥さん! 『水木しげる先生と読者の集い』!」

乾物屋

和枝「『水木しげる先生と読者の集い』ですよ!」

八百屋

徳子「奥さん 奥さん 奥さん! はい 調布の星 水木しげる先生!」

<読者の集いの準備は 着々と進んでいきました>

すずらん商店街

布美枝「うちの人の 初めてのサイン会なんです。」

町の人「奥さんの?」

布美枝「はい!」

水木家

居間

茂「うわ~ やめ~だ!」

布美枝「握手するかもしれんのに 爪 伸びとったらいけんでしょう。 あっ 動いたら危ない!」

茂「怖っ もう ええ…。」

布美枝「すぐですけん。 はい 終わりました!」

茂「はあ! 肉まで切られるかと思ったわ。」

布美枝「大の大人が 爪切るくらいの事 なして怖いんですか?」

茂「理屈なんぞあるか。 怖いもんは怖いんだ!」

布美枝「はい はい。」

茂「こればっかりは 一人だけでは難しいしなあ…。 はあ…! しかし やけに親切だなあ。」

布美枝「え?」

茂「貸本屋の おかみさんだよ。 客一人に えらい大仕掛けな事を するもんだ。」

布美枝「町のお母さんですからね。 それに 太一君の事は 特に気にかけとるんですよ。 『田舎から出てきて 友達もおらんだろうし』って。」

茂「しかし そげな人間は 大勢おるぞ。」

布美枝「はい。 実は 私も ちょっこし 不思議だなと思っとったんです。」

茂「う~ん 何か 訳でもあるのかね?」

布美枝「そげですねえ…。」

<そして いよいよ土曜日の午後…>

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