連続テレビ小説「花子とアン」第100回「腹心の友ふたたび」【第17週】

カフェー・ドミンゴ

醍醐「先生。 やっぱり 嘉納蓮子を 題材にして書くべきですよ。」

宇田川「あなたも しつこいわね。」

醍醐「私 更に 彼女について 調べてみたんです。 調べれば調べるほど 彼女は 今の時代を反映してる 存在だと思うんですよ。 古い因習に縛られて 人生を諦めてしまった女性たちに 希望を与えるためにも 是非 女性の宇田川先生が 書いて下さい! お願いします!」

宇田川「私は 白蓮の事など書きません。 何度言われても 答えは同じ。」

醍醐「どうしてですか…。」

宇田川「共感するものがないからよ。 それほど ご執心なら あなたが書けばいいじゃない。」

醍醐「私が…?」

宇田川「誰も あんな人に 教官しないと思うけど。」

醍醐「そうでしょうか?」

宇田川「まさか あなた 本当に書く気?」

安東家

居間

花子「おとう おかあ ただいま帰りました。」

ふじ「お帰り~ 歩!」

吉平「歩。 グッド イブニング 歩!」

ふじ「よしよしよ~し よ~しよしよし。」

花子「よかったね。 蓮様 足者 気を付けて。」

蓮子「ごきげんよう。 お父様 初めまして。 お母様 大変 ご無沙汰しております。」

ふじ「おかあでいいだよ。 よく来たね 蓮子さん。」

蓮子「おかあ…。 この度は お世話になります。」

吉平「自分のうちだと思って くつろいでおくんなって。」

蓮子「ありがとうございます。」

ふじ「蓮子さん くたびれたら? さあさあ 上がって休めし。」

花子「おとう ありがとう。」

蓮子「ありがとうございます。」

花子「おとう おかあ ちっと。 ちっと ちっと。 ちっと。 (小声で)分かってるらね。 蓮様が ここにいるっていう事は 絶対に 誰にも知られちゃいけんだよ。」

吉平「おう 任しとけし。 おらたちが守ってやらあ。」

ふじ「こぴっと秘密にするさよう。」

花子「リンさんだけには 絶対に知られんようにしんと。」

リン「おらが どうしたって?」

吉平「てっ!」

ふじ「てっ!」

吉平「どっから湧いて出たでえ?」

リン「失礼ずら。 人の事を 虫みてえに言わんでくれちゃ。 ちゃんと この戸から入ってきたじゃん。 あらあら これが はなちゃんのボコけ。 かわいいじゃんね~。」

花子「ほ~ら 歩 よろしく リンおばさんだよ~。」

リン「リンおばさんだよ~。 なにょう隠してるでえ?」

ふじ「あっ!」

吉平「あっ!」

リン「てっ! あ… あんた… 石炭王に嫁いで駆け落ちした 伯爵のお嬢様の蓮子さんじゃんけ! こんな田舎まで 駆け落ちしてきただけ! 相手の帝大生っちゅうのは どこでえ? えっ? どこ…。 てっ! ボコが生まれるだけ!?」

蓮子「あ… ご無沙汰しております。 朝市さんのお母様。」

リン「ああ… てっ。 こりゃ。 どうも。」

花子「おばさん こぴっと聞いてくれちゃ。」

リン「何でえ? ほんな おっかねえ顔して。」

花子「蓮様が ここにいる事は 絶対に秘密にしてくりょうしね。」

吉平「誰かに知られでもしちゃあ 蓮子さんの身が危ない。」

リン「て~っ! ほんな危ねえ目に遭ってるだけ! 分かった。 蓮子さんの事は 誰にも言わん。」

花子「絶対に?」

リン「うん! 絶対絶対絶対に 言わんさよう!」

村岡家

居間

(雨の音)

英治「悩みますよね。」

龍一「はい。」

英治「あっ 風呂湧いてますよ。」

龍一「あ… ああ お先にどうぞ。」

英治「じゃあ。」

(戸をたたく音)

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