居間
蓮子「これは?」
龍一「嘉納鉱業の番頭が置いてった。 君に渡せと。」
龍一「実は… この間 嘉納さんと会って話をしたんだ。 初めは 話し合いなんてもんじゃなかった。 村岡さんがいなかったら どうなっていたか分からない。」
花子「でも 嘉納さん 最後は 分かって下さったんですね。」
蓮子「何が入ってるのかしら…。」
リン「てっ…。」
吉平「てっ。」
ふじ「てっ…。」
リン「ふじちゃん… こんな宝石 見たことぁねえじゃんな…。」
ふじ「これが宝石け…。 美しいね~。」
リン「これ全部 蓮子さんのもんけ?
蓮子「いいえ。 私のものではありません。 あの人から頂いた物は 一切捨てて 私は 嘉納の家を出てきたんです。 ですから これも送り返しましょう。」
龍一「よし。 そうしよう。」
吉平「龍一君 飲もう。」
龍一「頂きます。」
吉平「朝市! おまんも飲めし。」
朝市「ああ! 頂きます。 すいません。」
吉平「ほいじゃあ ボコが 元気に生まれてくる事を祈って 乾杯!」
龍一 朝市「乾杯!」
花子「おとうの早とちりのおかげで 龍一さん 来て下さって よかったわね。」
蓮子「ええ。 さあ おかあのほうとうは 日本一なのよ。」
龍一「頂きます。 うまいです。」
ふじ「うんとこさ こせえたから お代わりしてくりょう。」
リン「本当に 全部送り返しちもうだけ? 返す前に ちっと触ってみてもいいけ?」