工房
<村岡家の庭には 工房が造られ 青凛社は 出版社兼印刷会社として スタートを切りました。>
<『王子と乞食』の単行本が ついに完成しました。>
居間
英治「郁弥。 これからも 美しい本を たくさん作るからな。」
かよの部屋
かよ「出来ただね…。」
書斎
平祐「お客さんだよ。」
花子「あっ… もう 梶原さん いらしたんですか? すいません ちょっと待っててもらって下さい。」
平祐「いや 違うよ。」
居間
富山「大変お久しぶりですね。 あなたが卒業した依頼かしら。」
花子「ええ… 本当に ご無沙汰しております。 富山先生… ちっとも お変わりありませんね。 『ブラックバーン校長もお元気そうで』」
ブラックバーン「Thank you. 『修和女学校でも犠牲者が出て タキもふさぎこんでいましたが 今は元気になりました』
富山「この本のおかげで 生徒も私も 随分 心が明るくなりました。 震災後の 唯一の明るい出来事でした。」
花子「富山先生…。」
富山「今のは 褒めました。」
花子「はい。」
ブラックバーン「Hana.」
花子「はい。」
ブラックバーン『人生は進歩です 最上のものは過去ではなく 将来にあるのです』
花子『その言葉は私のここにあります 私は生涯 あなたの生徒です』
ブラックバーン「Hana。」
平祐「花子さん。」
花子「はい。」
平祐「今度こそ 梶原さんだよ。」
梶原「原稿 あがったそうだね。」