梶原「ご無沙汰してます。」
富山「あ… こちらこそ。」
花子「今 梶原さんから 翻訳のお仕事を頂いてるんです。 ちょうど 今日が その締め切りで。」
富山「そうですか…。 あ… お忙しいようなので 私たちは これで失礼します。」
花子「えっ 今 いらしたばかりなのに…。」
富山『これから仕事だそうなので 帰りましょう』
ブラックバーン「Taki?」
富山「では 私たちは これで。 『参りましょう』」
花子「あ…。」
玄関前
(戸が開く音)
梶原「富山先生! えっと… その…。」
富山「『にじいろ』 毎号 拝読しておりました。」
梶原「そうですか。」
富山「新しい号は もう出さないのですか?」
梶原「震災で 会社が焼けてしまって… 僕は 今 向学館に戻ってるんです。」
富山「そうでしたか…。 実は 震災の時 なぜか 一番最初に浮かんだのは… どういう訳か… 梶原さんのお顔でした。 ご無事でよろしゅうございました。」
梶原「タキさん。 実は 僕も… 真っ先に あなたの事を考えました。 あなたも ご無事でよかった。」
富山「では…。 『失礼しました』
梶原「あの! また 会って頂けますか? ご連絡します!」
庭
花子「かよ。 てっ… きれい。」
かよ「時間は 止まっちゃあいんだね。」
回想
郁弥「よく似合います。」
郁弥「あの… 結婚したら 子ども 何人ぐらい欲しいですか?」
かよ「てっ…。」
郁弥「僕は いっぱい欲しいんですよ。」
郁弥「かよさん。 あなたは 僕の女神です。 僕と… 結婚して下さい。」
回想終了