連続テレビ小説「花子とアン」第133回「アンとの出会い」【第23週】

宇田川「今は 色恋なんかよりも お国のために 作家として何ができるかを 考えるべきでしょう。」

蓮子「そうでしょうか?」

花子「蓮様…。」

長谷部「村岡さんは どう お考えになって?」

花子「えっ…。」

長谷部「あなたは ラジオで 子どもたちに 語りかけているから 世の中への影響も大きいわ。 子どもたちを 立派な国民に育てるために どんな考えをお持ちか 聞いておきたいわ。」

花子「私は… 子どもたちの夢を守りたいんです。 今の日本の状況で そんな悠長な事は 言ってられないかもしれません。 けれども いつの時代も 子どもたちは 美しい夢を持っています。 その夢を 大人たちが 奪ってはならないと思うんです。」

宇田川「ラジオのおばさんが どれほど 立派なご意見を おっしゃるかと思ったら… この戦時下に夢ですって? 時代が変わっても あなたは 『みみずの女王』の頃から 進歩してないのね。」

長谷部「村岡さん。 この国の子どもたちの将来を思う 気持ちは 私も同じです。」

花子「はい。」

長谷部「そのためには 日本が より強い国にならなくては。 大人も子どもも お国のために 一致協力する事です!」

宇田川「そのとおり!」

「そのとおり!」

(拍手)

蓮子「お先に失礼するわ。」

花子「あっ…。 蓮様。」

「万歳! 万歳!」

♬~(『婦人従軍歌』)

蓮子「なぜ 皆さん… あんなふうに 一色になれるのかしら。」

♬『くれない染めし 草の色』

蓮子「ああなれたら きっと楽でしょうね…。 でも 私は ついていけないわ。 婦人参政権の活動では 共鳴できたけれど もう あの先生方と ご一緒する事はないと思う。」

村岡家

居間

英治「蓮子さん 途中で帰っちゃったのか。」

花子「ええ…。 私も考えてしまったわ。 このままでいいのかしら…。」

英治「えっ?」

花子「子どもたちの夢を守るって どういう事なのか 分からなくなってしまって…。」

英治「あんまり悩まないで。」

花子「ええ…。」

英治「花子さん。 踊って頂けませんか。」

花子「えっ…。」

<時代の空気が キリキリと緊張していく中 花子と英治は こんなひとときを 大切にしていました。>

美里「お父ちゃまとお母ちゃま いいな~!」

英治「ほら じゃあ 3人で踊ろうか。」

花子 英治「え~の。」

英治「はい クルル~ クルル~。 上手だ。」

花子「すご~い。」」

英治「はい 花子さんも。」

(笑い声)

英治「お母様 上手だね~。」

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